2017年01月16日

影響を受けたCD その143

チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調「悲愴」
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/指揮:ジャン・マルティノン
http://www.amazon.co.jp/チャイコフスキー-交響曲第6番-作品74-「悲愴」-ボロディン/dp/B00005HW1I/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1369978460&sr=1-1&keywords=マルティノン%E3%80%80悲愴

フランスに生まれた名指揮者ジャン・マルティノンのドビュッシーは定評がありますが、彼はフランス音楽以外にも素晴らしい演奏を残しています。
このCDには1958年に彼がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した「悲愴」の名演が収められています。
ウィーン・フィルのサウンドは穏やかで、美しいものですが、ここでは特に金管楽器を活躍させ、いつもの穏やかなウィーン・フィルとは思えないような白熱した演奏を繰り広げています。勿論、ウィーン・フィル特有の滑らかな美しさにも欠けてはいません。
また、録音はデッカですので(エンジニアはケネス・ウィルキンソン)、そのサウンドは解像度が高く、奥行き感、拡がり感、立体感、リアリティなどに溢れた素晴らしいものです。
チャイコフスキーの「悲愴」を聴きたくなると、いくつかのCDに手が伸びますが、その中で最も数多く聴いて来たのはこのCD。
昨年、タワーレコードさんでSACD化されて嬉しい限りです。

2017年01月11日

基準

中学生の時、初めて自分で買ったクラシックのレコードはヨゼフ・スーク(Violin)、カレル・アンチェル(指揮)、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲でした。
その後、廉価盤(1枚¥1,000程度)中心に増やして行きました。

アンドレ・クリュイタンス(指揮)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「運命/未完成」、ジョン・バルビローリ(指揮)ハレ管弦楽団の「新世界より」、ポール・パレー(指揮)デトロイト交響楽団の「幻想交響曲」、ジャン・マルティノン(指揮)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の「悲愴」、カール・ベーム(指揮)ウィーン交響楽団の「第9」(モノラル)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)フィルハーモニア管弦楽団のブラームス1番(モノラル)と続き、当時CBSソニーから「ギフトパック・シリーズ」(2枚組¥3,000と格安)がリリースされ、ワルター、セル、バーンスタインなど、フィリップスからも2枚組¥3,000のイ・ムジチ「四季」(フェリックス・アーヨ)/アイネ・クライネ・ナハト・ムジークなどが自分のレコード・ラックに入りました。
ポップスでは、S&G、ビートルズ、カーペンターズ等、ジャズではオスカー・ピーターソン、チック・コリア、ウェザー・リポート等々。

それらのレコードから喜び、切なさ、夢、希望などを教えられ、嬉しい時、悲しい時、その他様々な時に常に自分に寄り添ってくれました。それらが生きる力をも与えてくれました。
学生時代の小遣いや自分でアルバイトして買ったレコード達によって自分の道は開かれ、指針にもなりました。

それ以来、それらのレコードが演奏面、音質面、感動などの精神面で自分の中での基準になり、現在に至っています。
それらの偉大な先達が創った宝物に恥ずかしくないように生きたいと改めて思います。

2017年01月06日

影響を受けたCD その142

ラフマニノフ/交響曲第2番
アイルランド国立交響楽団/指揮:アレクサンドル・アニシモフ
https://www.amazon.co.jp/ラフマニノフ-交響曲第2番/dp/B00005J4VW

「最も美しいクラシック音楽」と評されることが多いこの曲のCDは自分のCDラックにも何枚かあります。
表現が濃厚で名盤の誉れが高いプレヴィン=ロンドン響、スッキリしたビシュコフ=パリ管弦楽団(ビシュコフの代表的な音源のひとつ)、表情は少し薄味ではあるけれど自然体でコンサート・プレゼンス溢れる録音のクルト・ザンデルリンク=フィルハーモニア、演奏も録音も優れているアシュケナージ=コンセルトヘボウ、等々。

それらの中でここ数年はアニシモフ=アイルランド国立交響楽団のCDを手に取ることが多くなっています。
これと同じNaxosレーベルで、より新しいスラトキン=デトロイト響の方が録音は良いと思うのですが、わずかにテンポが早くて、最近はあまり聴いてません(またじっくり聴き込めば感想は変わって来る可能性はあります)。

このアニシモフのものは、テンポ、表現などが良い意味で中庸で、録音も自然なので、聴いていて疲れませんし、聴き終わって時間を無駄にしたとも思いません。ただただ美しい音楽が、そして癒やしの時が流れて行く感じです。
個人的には表現がもう少し濃くてもいいかな、との思いがしなくもありませんが、これ以上表現が濃いと疲労がたまっている時には辟易してしまう可能性もあります。
最近の自分には一番しっくりくるラフマニノフ2番のCDです。

2016年12月27日

影響を受けたCD その141

ドヴォルザーク/交響曲第8番
ボルティモア交響楽団/指揮:マリン・オールソップ
http://www.hmv.co.jp/artist_ドヴォルザーク(1841-1904)_000000000019851/item_交響曲第7番、第8番%E3%80%80オールソップ&ボルティモア響_3830986

昨年、同じ楽団、同じ指揮者の第9番「新世界から」をこのブログに書きました。
この第7、8番も優れた演奏・録音だと思います。
「クールな演奏」という評価もありますが、僕の現在のオーディオ機器と耳では、「クール・ビューティー」という感じで、楽器のニュアンスがよく表れていて(特に木管)、演奏に「愛」を感じます。
このCDに出会うまでは、セルのSony盤とEMI盤、カラヤンのDecca盤、ケルテスのDecca盤などを好んで聴いてきましたが、最近はこのCDです。

2016年12月26日

パラシュート

パラシュート/ネバー・ランディング
https://www.amazon.co.jp/『NEVER-LANDING』PARACHUTE-2枚組CD-豪華デジパック仕様-PARACHUTE/dp/B01KTLEA9Q/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1481611460&sr=1-1&keywords=パラシュート

返す返すも残念でならないのですが、今年亡くなった松原正樹さんが在籍していたバンドが「パラシュート」でした。
2015年9月8日、金沢の北國新聞赤羽ホールでのライヴを完全収録したのが、このアルバムです。
1981年に松原さんと安藤さんを除くパラシュートの皆さんと初めて仕事をしました(松原さんとは僕が仕事を始めた1980年からご一緒させて頂いてました)。
Drums 林立夫、Percussion 斉藤ノブ、Bass マイク・ダン、Keyboard 井上鑑、安藤芳彦、Guitar 松原正樹、今剛という日本を代表するミュージシャンの集合体がパラシュートです(順不同・敬称略)。

白鳥座の1stアルバム「白鳥座」の3曲でバックの演奏をやって頂いたのが始まりでした。「かもめ」「心届かぬままに」(Arr.今剛)、「彼女は」(Arr.井上鑑)、2ndアルバム「DENEB」の「42キロの青春」「12月、そして雨」(Arr.今剛)でも彼らの素晴らしい演奏を聴くことが出来ます。

井上鑑さんが正式に加入する前だったと思いますが、パラシュートの皆さんの事務所から招待状を頂いて、彼らが渋谷エッグマンで行ったライヴを聴きに行きました。

このアルバムを入手したので、聴きながら松原さんを偲ぶことにします。

2016年12月20日

「クリムゾン・キングの宮殿」と「展覧会の絵」

キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」(1969年)とエマーソン、レイク&パーマーの「展覧会の絵」(1971年)のことは10年前このブログに書きました。
この2枚のアルバムの最大の共通点は、ヴォーカル&ベース(ギターも弾いています)のグレッグ・レイクの存在です。
残念ながら、つい先頃、彼は鬼籍に入ってしまいました(キース・エマーソンも今年鬼籍に入りました)。
彼はロック界最高のヴォーカリストではないかもしれませんが、力強くもあり繊細な声と表現は初期キング・クリムゾンにもELPにも無くてはならない存在でした。
ここ数日、彼を偲んで電車通勤の際、iPhoneでこの2枚のアルバムを聴いています。

2016年12月19日

影響を受けたCD その140

ベートーヴェン/交響曲全集
クリーヴランド管弦楽団/指揮:ジョージ・セル
CD http://tower.jp/item/3291265/George-Szell-Conducts-Beethoven-Symphonies-&-Overtures
SACD  http://tower.jp/item/4258313/ベートーヴェン:-交響曲全集-(2016年DSDリマスター)-(SACDハイブリッド)<完全生産限定盤>

既にお亡くなりになっている音楽評論家・志鳥栄八郎さんが生前、絶賛しておられたベートーヴェンの交響曲全集がこれです。
かつて(今でもかもしれません)「セルが指揮した音楽は冷たい」とか、「セルが指揮したクリーヴランド管弦楽団の演奏は室内楽のようだ」とか、若干揶揄する意味合いを含めて言われたものです。

思うにこれはセルの耳が驚異的に良いことに起因する現象であり、そのセルに(もしかしたら反感を持ちながらも)ついていったクリーヴランド管弦楽団の驚異的なアンサンブルによるものだと思っています。

セルはオーケストラの各楽器の音程、リズム、アーティキュレーションなどに対する要求が他のどの指揮者よりも厳しかったのでしょう。
他のオーケストラの演奏と比べて、セルが指揮したクリーヴランド管弦楽団の演奏では、それらがきっちり揃っていたので、冷たくも聞こえ、室内楽のようにも聞こえたのだと思っています(つまり複数の人で演奏したフレーズの音程、リズム、ニュアンスなどがきっちり揃っていると、まるで一人で演奏しているように聞こえるということです)。

個人的には、セル=クリーヴランド管弦楽団の演奏を聴くと、まるで滑らかで美しい白磁を愛でているような錯覚に陥ります。透明度が高く、各楽器の音程、リズム、ニュアンスの揃ったその演奏で至福のひとときを味わうことが出来ます。

数年前のさだまさしのCDマスタリングの際、マスタリング・エンジニアの鈴江真智子さんが「仕事以外であまりクラシックのCDは聴かなかったのですが、セル=クリーヴランド管弦楽団の演奏を聴いて、クラシックの良さが分かるようになりました」と言っていたことも記憶に残っています。

今年、タワーレコードさんがこの全集をSACD化してくださり、セル=クリーヴランド管弦楽団のファンは驚喜しています。

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