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影響を受けたCDその2

15年前に惜しくも亡くなってしまったが、マイルス・デイヴィスというトランペットの巨人がいた。彼は存命中、常にジャズ界をリードした。また彼のバンドはメンバー・チェンジが頻繁なことでも知られ、そのバンド・メンバーはマイルス門下生と呼ばれた。マイルス・バンドに迎えられることや、プロデューサーのテオ・マセロから声が掛かることは、とりもなおさずジャズ界のトップ・プレーヤーであることを証明されたかのようなものだった。

1960年代にマイルス・バンドに在籍したキーボーディスト(ピアニスト)は、キース・ジャレット、ハービー・ハンコック、チック・コリア、ジョー・ザヴィヌルなど錚々たる人たちだ。

ジョー・ザヴィヌルは、同時期にマイルス・バンドに在籍していたサックスのウェイン・ショーターと共に、70年代に入って「ウェザー・リポート」という名のバンドを作り、キース、ハービー、チックらと共にその後のジャズ界を牽引した。

今回は、そのウェザー・リポートの代表作「Heavy Weather」(邦題:ヘヴィー・ウェザー)。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=463055
この盤はDSDマスタリングされたもので、他にSACDもリリースされている。
前作の「Black Market」の時に、ベーシストとして、ジャコ・パストリアスという若者が加入し、それによってバンドは飛躍的に進化した。

「Heavy Weather」の1曲目「バードランド」は、後にコーラス・グループのマンハッタン・トランスファーもカバーしたポップな名曲。最初に聴いた時、イントロのシンセベースの次に出てくる高音のフレーズをどの楽器でやっているのか分からなかったが、その後、それが分かった時に度肝を抜かれた。2曲目の「お前のしるし」は何とも美しいバラード。ジャコのフレットレス・ベースが美しくも幻想的なフレーズを紡ぎ出している。ジャコはエレクトリック・ベースの概念を変えた革命児だった。この他にも魅力的な曲で溢れている。

世界で最も美しい音色を持つと言われるサックス奏者であるショーターも凄いが、ザヴィヌルの作曲、アレンジ能力も秀逸。僕が彼らの音楽を高く評価するのは、ザヴィヌルのセンスに負うところが大きい。乱暴な言い方ではあるが、ジャズやポップスでは、音楽のその瞬間瞬間の縦のハーモニーを重視するあまり、各楽器のラインの美しさをあまり重視しない傾向があり、クラシックでは横のラインの流れの美しさを重視するあまり、瞬間をとらえると縦のハーモニーが多少崩れていると感じる時がある。

彼らの音楽を聴くと、ザヴィヌルは縦と横をうまく融合させようとしているように感じる。
彼らの音楽を聴いて以来、僕もそれにチャレンジし続けている。
このアルバムのエンジニアは、Ron Malo
まさしの「私花集」の一部をロスでレコーディングした時のエンジニアもRon Maloでした。

尚、現在「さだチーム」のエンジニアである鈴木智雄さんは、ウェザー・リポートのウェイン・ショーターと後に一緒にレコーディングし、グラミー賞のエンジニア賞を獲得しています。

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