これまで同様、まだ内容的なことをお知りになりたくない方は、お読みにならないでください。
9、大晦日(おおつごもり)
日本人にとって大晦日と元旦はとても大事な日。リセットが許される唯一の日が大晦日かもしれません。そして、元旦には思いを新たにして、誓いを立てることでしょう。
ホームパーティのような楽しさを盛り込みたいとまさしから希望が出され、そういうコンセプトのアレンジ、編成でレコーディングを進めました。
倉田信雄さんのアレンジとシンセサイザー、石川さんのアコースティック・ギターとマンドリン、田代さんも同様、岡沢さんのベース、伊藤史朗さん(グレープ・ラスト・コンサートのドラムスもこの方)のドラムス、川瀬さんのパーカッション、堀沢真己さんのチェロ、森本さんのシンセサイザー・プログラミング、MCキッズという10人の子供コーラス、おおつごもり混声合唱団のコーラス、という編成でした。
この「おおつごもり混声合唱団」は、たまたまその場に居合わせた人たちで臨時に結成したもの(結成と言うほど大げさなものではありませんが)で命名したのはまさし。メンバーは確か、レコーディングでいつもスタジオ・ミュージシャンのブッキングをしてもらっているフェイス・ミュージックの関谷さん(女性)と根本さん(女性)、シンセサイザー・プログラミングの森本さん、FOAレコードの水落さん、マネージャーの廣田、石井、そして僕でした。エンディングには何種類ものSEを入れることになっていたのですが、最終的には鐘の音だけを入れることになりました。楽しいホームパーティのようなイメージになったでしょうか?
10、天然色の化石2006(てんねんしょくのかせき2006)
この曲は勿論、1990年にリリースした“夢回帰線Ⅱ”に入れた“天然色の化石”です。
3333回のコンサートで、まさしがこの曲をギター弾き語りでやって、各方面から好評を戴きました。その中で、アレンジャーの渡辺さんは、「この曲を是非フルオケでやってみたい」と。
そして、今年のまさしんぐWORLD発足30周年のコンサートで、横浜アリーナでは渡辺さんのアレンジ・指揮、東京ニューシティ管弦楽団、倉田さん、石川さん、宅間さんとでやりました。このフルオケ・ヴァージョンを“天然色の化石2006”と呼んでいます。
このアルバムでは、そのヴァージョンから、アコースティック・ギターと宅間さんがやったパーカッション・パートを抜いたものをやっています。
レコーディング・メンバーは、指揮の渡辺さん、ピアノの紺野さん、ハープの朝川朋之さん、クラシック・パーカッションの高田みどりさん、木管楽器・金管楽器の皆さん、そして篠崎ストリングスでした。
想像した通り、ミックス・ダウンに一番時間がかかった曲で、完璧な楽器バランスを実現させることは当然のことですが、同時に暖かさ、冷たさ、緊張感、空気感など実に様々なものを盛り込むイメージでやっています。
11、サクラサク
もうすぐ来る春を待つ冬の歌です。
まさし自身のアコースティック・ギターとメロディを含めた一人3声コーラス(それぞれをダブルで、つまり2回ずつ重ねているので6人分の声)でやっています。こちらのコーラスはまさし自身のヘッド・アレンジです。
このギターは簡単そうでいて、歌いながら弾くのは結構大変そうですが、きまったらカッコイイでしょうね。
このアルバムで一人多重コーラスを使ったのは、“桜桃”と、この“サクラサク”ですが、ミックス・ダウンで前者を暖かく柔らかいイメージにしたのに対して、こちらは冬の歌ですので、透明感や澄んだ空気感を出すイメージでやりました。
12、桜人 〜終章 しづ心なく〜(さくらびと 〜しゅうしょう しづこころなく〜)
1曲目とメロディとアレンジ・コンセプトは同じですが、歌詞、サイズ、演奏、歌などは異なるものです。
こちらの終章の方では、紀友則と西行の歌を使っています。
編成はこちらも、まさし自身のアコースティック・ギター、ナッシュビル・チューニングのギター、それに渡辺さんアレンジ・指揮による篠崎ストリングスです。
ミックスで、こちらも「はらり〜」、「ゆらり〜」のところで同じ処理をしていますが、こちらの方が多少エフェクト成分が強いと思います。また、序章と比べると若干ナッシュビル・チューニングのギターのバランスが大きいこともあり、全体的により幻想的に聞こえるはずです。
尚、この3日間で“美しき日本の面影”について書いた文の中で、ベイシック・トラックのアレンジ表記がない場合は、さだまさし本人のアレンジです。
また、通常の曲作りではメロディを先に書いて、それに歌詞をパズルのように当てはめてゆくのですが(つまり曲先)、今回のアルバムは基本的に詞先だったことも書き添えておきます。