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アルバム「美しき日本の面影」について その1

いよいよアルバム“美しき日本の面影”の発売一月前になりましたので、3回に分けて僕の視点で少し書いてみることにしました。
アルバムの内容について現時点で知りたくない方は、絶対にお読みにならないでください。宜しくお願い致します。

1.桜人 〜序章 春の夜の月〜(さくらびと 〜じょしょう はるのよのつき〜)
九条藤原良経、藤原俊成女、大伴池主、菅原道真による4首の和歌をコラージュのように使い、前後に書き加えることで1曲の作品になるように構成したもの。
楽器編成は、まさしのアコースティック・ギター、ナッシュビル・チューニング(1、2弦は通常通り、3〜6弦をオクターブ高くしたもので、キラキラしたイメージの音になる)のギター、そして篠崎正嗣ストリングス。渡辺俊幸さんに映画音楽の1シーンのような弦を書いてもらいました。
歌詞の最後に、桜の花びらをイメージさせるような「はらり〜」、「ゆらり〜」というフレーズがあって、それを、秒速50cmで桜の花びらが舞うようなイメージをミックスで作ったつもりです。

2.桜桃(さくらんぼ)
恋人の女性を穏やかに優しく励ます歌詞。まさし自身のアコースティック・ギターとメロディを含めた4声コーラス(それぞれをダブルで録っていますので8人分の声)、川瀬正人さんのタンバリン、渡辺さんアレンジによる篠崎ストリングス、そしてシンセサイザーは森本康史さんに音を作ってもらい、僕が弾きました。
今回は、まさしの一人多重コーラスを2曲やっていて、こちらの方は僕のコーラス・アレンジ。
ミックスで、こちらは春〜初夏らしく暖かくて柔らかいイメージにしました。

3.さよなら橋(さよならばし)
グレープの二人とパーカッションの川瀬さんでやっています(一部を除く)。
グレープの二人の仮ギター、仮歌と、森本さんにシンセサイザーでパーカッションの音を何種類か作ってもらい、こちらで指定するパターンで打ち込んでもらったものを入れた状態で、「まさしんぐWORLD」コンサートに突入しました。そこではグレープの二人だけで生で披露することになりました。
まさしの10日ほどのオフの後、サイズが変更になったため、コンピューター上でサイズを編集しました。最近では、テープ・レコーダーではなく、コンピューターのMacとPro Toolsというソフトを使って、ハードディスクにレコーディングしているので、こういう編集が可能になりました。
編集した後、二人のギターや歌を本番のものに差し替え、パーカッションの大半も川瀬さんによる生のものに差し替えました。物凄く低い音のパーカッションのみシンセサイザーで作ったものをそのまま残してあります。

4.献灯会(けんとうえ)
この曲を作った背景は、まさしがライナーノートに書いていますので、そちらをお読みください。
曲調も、アレンジも、歌い方も民謡をイメージしたものになっています。
まさしの歌とアコースティック・ギター、グレープの吉田政美さんのアコースティック・ギター、パーカッションは“さよなら橋”と同様で川瀬さんの生音と森本さんに作ってもらったシンセ音の混合という編成です。
後日、撮影チームが、この曲の舞台になったお寺に撮影に伺い、出来上がった写真を見せてもらいましたが、幻想的で素敵なものでした。

コメント

リクエスト(?)にお応えして・・・のすごい情報を読んでしまいました!!ワクワクドキドキの1ヶ月です。桜人、どんななのか、とっても楽しみです。
・・・でも、なんだか、フライングみたいで、申し訳ないですぅ。
このブログができて、新しい楽しみ方が増えた感じで、とても新鮮です。

9月は自分の仕事が忙しくなるのですが、大きな楽しみがあるので、がんばらんば!

すごい情報を、ありがとうございました。

いつも興味深く読ませてもらっています。
お願いなのですが…。
曲名などに括弧書きでふりがなをつけてもらえないでしょうか~。
コトバにこだわりを持つさださんが,たとえば「日本」を「にほん」と読んでらっしゃるのか,「にっぽん」なのか。
「桜人」は「さくらびと」なのか,「さくらひと」なのか。
「橋」を「はし」なのか,「ばし」なのか,などなど。
ばかばかしいことかも知れませんが気になっています。(夜は寝られるくらいの気になり方ですがw)

おぉぉ!!

凄いお話しをありがとうございました。
「リクエスト(?)お応えして」と言って頂けただけでも
涙が出るほど感激しています。

もう、初っ端の「ナッシュビル・チューニング」「秒速50cm」だけで
既に完全にノックアウトです。

そして、多重ボーカルの「桜桃」は、どんな曲なのでしょう?
「百日紅」の様な感じ? それとも「二軍選手」? 或いは「沈吟」?
「ねこ背のたぬき」ではなさそうですけど。

更に、「グレープの二人の仮ギター、仮歌」の「仮歌」は
まさしさんだけなのでしょうか、もしかして吉田政美さんも?
(それとも吉田さんのボーカルは次のグレープ(レーズン? ワイン?)の
アルバムのお楽しみでしょうか?)

うーん、本当に楽しみです。
また、ちょっぴりだけで構わないので、
こっそりと教えてください。
すてきなお話しをありがとうございました。

kikakuさん、こんにちは。

それでは、曲名のみ後ほどエディットしておきます。尚、アルバム・タイトルの読みは、「うつくしきにっぽんのおもかげ」です。

まさしはA型ですので(あまり関係ない?)、こだわるところは徹底的にこだわりますが、こだわらない部分は全くこだわりません。

是非、アルバムをお聴きください。

ありげんさん、こんにちは。
それではリクエストにお応えして(?)、もう少しつっこんだことを書きましょう。

ご存じかもしれませんが、1970年代のアメリカに“ブレッド”という人気グループがありました。彼らの“イフ”や“オーブレイ”がまさしと僕の共通して好きな曲なんです。
で、“桜桃(さくらんぼ)”ですが、その“オーブレイ”に近いと思います。実は、曲作りの時に、まさしと僕で“イフ”とか、“オーブレイ”のような曲を作ろうか、という話をしました。まさしと僕の共通して好きな曲をあげて(勿論その曲がまさしに合うかどうかが重要ですが)、それにインスパイアされて曲作りする、というようなやり方を時々やります。出来上がった曲が、似ていることはあり得ますが、全く同じメロディ、歌詞を使うことはありません。例えば結果的に、何かの曲と4小節以上、メロディも歌詞も全く一緒のものが出来上がってしまえば、使わないでしょうね。
この“似ている”というのは、くせ者なんです。意識しすぎると萎縮してしまって、メロディも歌詞も書けなくなります。何かに似ているかどうか、という本人や僕のチェックが甘くなると(僕らも邦楽や洋楽の全ての曲を知っている訳ではありません)、盗作疑惑を招く可能性だって出てきます。
これは送り出し側にとって本当に難しい問題なんです。

尚、吉田政美さんは、今回は一切歌っていません。

八野さん、こんにちは。

またまた、すごい話をありがとうございました。

まさしさんって、インスピレーションを受けて曲を作るのが
とてもうまいですよね。
勿論ポール・サイモンの曲は数知れずですが、他にもPP&Mであったり、
クリストファー・クロスであったり、はたまたビーチ・ボーイズやヨーロッパであったり、
更にミュージシャンだけでなく、色々な小説、歴史、そういったものからも
ネタを仕込む技が、卓越していると思います。

それは、タイトルだけの時もあれば、詩のワンフレーズの時もあり、
あるいは曲調であったりすることもあるけれど、曲調といっても例えば
「あと1マイル」などは、聞いた瞬間に「あっ、PP&M!」という感動を受けながら、
実際には「500マイル」とは全然違うメロディーラインなワケで、
ここらへんがまさしさんの巧みなところですよね。

「インスパイアされて曲作り」というのは、一歩間違えば「模写」になりかねず
誰にでも出来ることではないのでしょうが、
まさしさんの場合はインスパイアされたものを通して
その向こうにあるまさしさん独自の世界を表現しているところが
すごいと思っていました。

そして、時としてまさしさん自身の以前の曲からもインスピレーションを受けて
新たな曲が作られることがありますよね。
最近の曲では「ローズ・パイ」は涙なくして聴くことができない程でしたし、
ちょっと前だと、「聖域」や、もしかすると「糸電話」もそうした曲じゃないかと
思っています。

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それにしても「ブレッド」ですか!
お二人のこうした洋楽のセンスって、なんというか、実にイイですよね。
‥‥と書きながらも実は、「イフ」は分かるけど
「オーブレイ」ってどんな曲だっけ?と迷っています。
(八野さんのコメントを見て、「ブレッド」のCDを探し始めている
さだまさしファンは、僕だけではないはず!
そういえば、ずっと昔、さだまさしファンになりたての頃、
ジェームス・テイラーの「ゴリラ」を探しまくったこともありました。)

ところで八野さん、
これだけのボリュームの記事・コメントを、それも毎日のように
更新されるのって、結構大変ではありませんか?
律儀にコメント返しをして頂いて、大変恐縮しています。
八野さんのお仕事時間・睡眠時間を奪っているような気さえしています。

お暇な時で構いません(「暇な時」なんてないのかもしれませんが)ので、
貴重な情報をお願いします。
(‥‥と書きながらも、次の記事の「Dm」「五七五七七の歌」を読んで、
おぉぉ! と、またまた感激しているのですが‥‥。)

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