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影響を受けたCD その7

ポール・サイモンの「Still Crazy After All These Years」(邦題:時の流れに)。
これはポールのソロになってからの3作目(ライヴ・アルバムを除く)。

1作目の1972年発表の「Paul Simon」では、彼のギターをサウンドの中心に据えながらも、S&G時代のハモるメロディを書かなければならない、というある種の序縛から解放されたところと、ヒット曲を期待された曲作りからも解放され、より個人的で私小説風の歌詞になっています。エンジニアはS&G時代からの仲間ロイ・ハリー。

2作目の1973年発表の「ひとりごと」は、ジャズの影響を受けたアメリカン・ポップスのオン・パレード。ベイシック・トラックの何曲かは、アラバマ州マッスルショールズのスタジオで録り、残りの作業をニューヨークやロンドンでやったようです。エンジニアはフィル・ラモーン。彼は後年、プロデューサーとしてビリー・ジョエルをスターダムにのし上げることになります。
余談になりますが、このマッスルショールズのスタジオで、マッスルショールズ・リズムセクションの人たちと一緒にやったサウンドの素晴らしさに触発され、後日、加藤和彦さんも自身のアルバム「それから先のことは」のレコーディングをここでやっています。
尚、この「ひとりごと」の英詞の日本語訳を三橋一夫さんという方が担当していらして、その訳が印象に残っており、後年僕が仕事を始めてから、音楽評論家の三橋一夫さんにお会いした時に、その話をしたら同一人物であることが分かりました。
このアルバムの影響を受けて、20年後にロンドンで弦を録音することになります。

そして3作目が1975年に発表した「時の流れに」。
これは、前作と比べると地味に聞こえますが、なかなかどうして味わい深い作品で、グラミー賞のベスト・アルバム賞(アルバム・オブ・ジ・イヤー)を獲得した名作。前作と同様、バック・ミュージシャンとして、あるいはアレンジャーとしてこのアルバムに参加していた人たちが、その後のアメリカ音楽界を代表する人たちになりました。
関わり合った人たちがそれぞれの役割を踏まえて、心を込めて一生懸命にやれば、こんなに凄いものが作れる、というお手本のようなアルバムだと思います。

その当時、僕はこれらのアルバムを聴いて、1作目から3作目への流れや、その進化などに感銘を受けましたが、反面、ポール・サイモンのその後が心配になりました。こんな完璧なものを作ってしまって、この後どうするのだろうかと。

コメント

八野さん、こんにちは。

いつか必ずポール・サイモンが出てくると思っていました!
八野さんはどのアルバムを取り上げられるかなぁ、と色々思い巡らせていました。

前述の通り、僕はリアルタイムではこの頃を知らないのですが、
「ひとりごと」はあれだけ完成度が高いのに、何かまた素晴らしいアルバムが
次に待っていてくれているような、そう期待させるアルバムである一方、
八野さんの仰るとおり「時の流れに」は、次作が本当にできるんだろうか
と思わせるところがありますよね。
スキがないというか、完璧すぎるというか‥‥。

リチャード・ティのピアノもスティーブ・ガットのドラムも勿論ですが、僕が特に好きなのは、
何といってもボブ・ジェームスのエレクトリックピアノで奏でる「時の流れに」です。
サックスの間奏もイイですよね(マイケル・ブレッカーですよね?)。
物憂くも複雑に変化する感情を綴る歌詞、そのままに表現するメロディとコード進行、
そして、それをまったりと歌うポール・サイモン。

「時の流れに」という邦題がまた絶妙ですよね。これも三橋さんの訳なのかしら?

フィル・ラモーンなしには、ビリー・ジョエルはここまでビッグにはなれなかった
とさえ言われていますよね。
八野さんのブログを読んでいてつくづく実感するのですが、
プロデューサーやエンジニアの役割って、あまり表舞台には出てきませんが、
本当に重要ですよね。


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今回の記事は、
「to be continued」的な終わり方ですね!
ポール・サイモンはこんな完璧なアルバムを作ってしまって、
本当にこの後どうしたんでしょう?
八野さんは次にどのアルバムを取り上げるんだろう? と、期待せずにはいられません!

もしも機会があったら、いつか「つづき」を宜しくお願いします。
楽しみに待っていまーす!

ありげんさん、こんにちは。

ポール・サイモンのことなら色々書くことはありそうです。
まさしと僕の最も好きなシンガー・ソング・ライターですし、自由飛行館が東京にあった時に、まさしと僕でS&Gの曲をギターを弾きながら歌ったことも思い出されます。

また、Paul Simonネタで具体的なことを思いついたら書くことにしますね。

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