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影響を受けたCD その9

ピンク・フロイド「狂気」(Dark Side Of The Moon)1973年発表
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=745558

僕にとってプログレ三部作(キング・クリムゾン「クリムゾン・キングの宮殿」、ELP「展覧会の絵」、そして当作品)の最後を飾るのがこれ。
プログレッシブ・ロックを聴いたことがない方が、いきなりこの「狂気」を聴くのは危険でしょうね。いきなりだと、おそらく訳が分からないと思います。
ただ、そういう訳の分からない物に限ってハマったら最後です。
このアルバムの冒頭のSE(効果音)は、もの凄い数の人たちに影響を与えているはず。このSEは心臓の音を表していますが、おそらくこれを聴いたら「夢の轍」の最初のSEも同様だと気がつくと思います。
その後も、様々な創意で埋め尽くされていて、現在だとサンプラーを駆使して比較的簡単に作ってしまうようなことも、この作品では丁寧に手作業(テープ編集)をしていると思われます。歌うようなギルモアのギター・ソロやスタジオ・ミュージシャンによるコーラスも特徴的で、感動的。このレコーディングに参加したコーラスの人たちは、レコーディング終了後スタジオで、この作品のあまりの美しさに皆で泣いたそうです。

この「狂気」から20年後、まさしのアルバム「逢ひみての」のレコーディングの前、エンジニアの鈴木智雄さんにこのCDを渡し(勿論、彼も持っていたそうですが)、これ以上の音空間、音場感をどうやって出すかを考えてもらいました。その結果、パーカッションの大半をステレオで録ったり、あらかじめミックスするときの定位(この場合は奥行き感)を想定したマイキング(通常よりもオフぎみに録ったり、オンとオフの両方を録ったり)をして試行錯誤を重ねました。まるで竜安寺の石庭の石のように歌や様々が楽器が広大な空間に浮いていて、それでいて全体で見事な調和を作り出しているイメージ。北海道から沖縄までの様々な場所をモチーフにして、日本を、日本の心を表現するアルバム「逢ひみての」のサウンド面で目指したのはこれでした(勿論、これだけではありませんが)。コンプレッサーでガチガチにされて奥行き感の無くなった日本の一般的なものと比べると、空間描写が独特で、スケールが大きく、表現もナイーヴなものになったと思います。

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