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2006年10月31日

影響を受けたCD その19

「カーリー・サイモン/マイ・ロマンス」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000002VGE/sr=1-1/qid=1160411730/ref=sr_1_1/249-6365212-9963522?ie=UTF8&s=music

カーリー・サイモンはニューヨーク出身の女性シンガー・ソング・ライターで、1970年代のシンガー・ソング・ライター・ブームの一翼を担い、今でも現役で活動しています。
彼女はスタンダードのカバー集をいくつかリリースしているのですが、この「マイ・ロマンス」はそのひとつ。
「ダニー・ボーイ」、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」など日本でも有名な曲が収録されています。特にこの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」はアレンジも歌唱も演奏も素晴らしい。
スタンダード集にふさわしくピアノ、ギター、弦、木管などを使ったオーソドックスな枠組みの中にあって、音楽的な工夫がなされている(考え方としては、さだまさしの「にっぽん」も同様です)。
このアルバムのアレンジは巨匠マーティ・ペイチ。あのTOTOのキーボーディスト、デヴィッド・ペイチの父親です。
マスタリング・エンジニアは名匠テッド・ジェンセンです。
僕にとってはこのアルバムのサウンド、質感が「人生の贈り物」のソロ・ヴァージョンに繋がっていきました。

2006年10月29日

M.S.コーラス・コンサート本番

10/28は、僕が編曲と指揮をやらせて頂いているM.S.コーラスのコンサートが、千葉県市川市でありました。
結成22年を超えたこの女声合唱団は、元々さだまさしのお母上のところに、さだまさしの音楽を愛好する人たちが集まり、そのうちにさだまさしの曲をみんなで歌いたくなって自然発生的に誕生したそうです。
結成して1年たった頃に僕が呼ばれ、譜面を書かせて頂くようになりました。
合唱団の名前にM.S.という文字が入っていますが、勿論これはさだまさしのイニシャルです。

今年に入った頃からこのコンサートのための練習をしてきたのですが、諸事情で毎週練習することは出来ませんでした。それでもメンバーの皆さんはよく頑張ったと思います。
普段練習している所とは異なり、コンサート会場はそれなりに広いですから、声量を心配していました。ところが本番でそれを見事にクリアしたのです。
何と、さだまさしさんが駆けつけて、楽屋を訪ねてくださり、客席で最初から最後までお聴きくださいました。
これにはメンバーの皆さんも感激して、一気に盛り上がり、アクセル全開でした。
僕は、コーラスの皆さんのやる気を胸に、会場の熱気を背中に感じて棒を振っていました。
古瀬安子さんのピアノもリリカルで滋味溢れていて素敵でした。
出演者だけではなく色々な方のお陰で、今までで一番の出来になりました。

佐田喜代子さんを始めM.S.コーラスのメンバーの皆さん、ヴォイス・トレーナーも兼任してくださっているピアニストの古瀬安子さん、お手伝いくださった関係者の皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。
ご多忙の中、お越しくださった皆様、本当にありがとうございました。
そして会場にいらした全ての皆さん、感動をありがとうございました。
これからも更なる上を目指して頑張っていきたいと思います。

2006年10月27日

「美しき日本の面影」のCD評

音楽之友社が出している月刊「STEREO」の11月号(10/20発売)に、ラジオ・ディレクター兼音楽ライターの鈴木 裕さんが、「美しき日本の面影」のCD評を書いてくださっています(212頁)。

まさしを始め、全員で必死にやってきたことをきちんと評価して頂いて、嬉しくて、ありがたくて涙が出ました。
鈴木 裕さんを始め関係者の皆さん、ありがとうございました。

更なる高みに向けての次の一歩を踏み出す大きな励みにさせて頂きます。

2006年10月26日

レクスト西野正和さんのコラム、美しき日本の面影・通販、掲示板

知人のレクスト社長・西野正和さんのコラムで、高音質CDとして「美しき日本の面影」が紹介されています。
また、レクストさんの通信販売(レクストダイレクト)でも扱っていただいています。
掲示板でも書き込みをされている方がいらっしゃいます。
評価して頂いて嬉しいです。西野さん、ありがとうございます。

http://www.reqst.com/column.html

http://www.resonance-chip.com/cgi-bin/shopcgi/shop/goods_detail.cgi?CategoryID=000004&GoodsID=00000055

http://bbs1.kze.ne.jp/rcc/

影響を受けたCD その18

「メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調」
ソロ・ヴァイオリン:ヴィクトリア・ムローヴァ/演奏:アカデミー・オヴ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ/指揮:ネヴィル・マリナー
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1071259
僕が初めて自分の小遣いで買ったアルバムは、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調で、チェコの至宝と言われる名手ヨゼフ・スーク(あの大作曲家ドヴォルザークの曾孫)によるソロ、オーケストラはチェコ・フィルハーモニー管弦楽団、指揮はカレル・アンチェルのものでした。

僕にとってクラシックの曲に関して複数の演奏家のものを聴くということは、ある意味では理想郷を求めて旅をしている感覚に近いのかもしれません。
このメンデルスゾーンのコンチェルトでは、ヨゼフ・スークに始まり、記憶に間違いがなければ、ハイフェッツ、メニューイン、フーベルマン、カントロフ、アッカルド、リッチ、ベル、スターン、キョンファ、ナージャ、フランチェスカッティ、デュメイ、シェリングなどを聴いてきましたが、まだまだこれからもこの旅は続くのかもしれません。

スーク以降は、かなり長い間スターンのものが気に入ってましたが、さすがに録音が古いので、この10年位はムローヴァのものを聴くことが多くなりました。
オーケストラのイントロが始まってすぐにテーマをソロ・ヴァイオリンが奏でますが、テンポ感といい、歌い回しといい、魂と技巧のバランスといい、僕の感覚に一番フィットしているのがムローヴァのものです。
またバックはアカデミー・オヴ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズという長い名前の小編成のオーケストラをネヴィル・マリナーが指揮しているものですが、良い意味でオーソドックスで、愛情とニュアンスに溢れています。
このオーケストラはロンドンのトラファルガー広場の東側にある「セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ」という教会で活動したために、上記の名前になったそうです。
尚、レーベルはフィリップスですので、ヒステリックな音は一切なく、暖かく柔らかいサウンドです。

2006年10月25日

日本史

仕事には直接関係ないのですが、600年代から700年代までの歴史に興味があります。もしかすると20年前に読んだ梅原猛氏の書籍「隠された十字架」あたりがきっかけになったのかもしれません。その本の内容の真偽は別として、その本もその頃の歴史もとても面白いです。

6〜700年代の歴史を調べていくと、壬申の乱における関ヶ原の戦略的意味、「美濃を制するものは天下を制す」という言葉がありますが「壬申の乱」から900年後の「関ヶ原の戦い」へのつながり、桃配山の由来と徳川家康、物部氏〜蘇我氏〜藤原氏への流れ、女性天皇の重祚の意味とその理由、歴代天皇の諡号などとても興味深いです。
2001年に奈良の薬師寺でやったライヴ・レコーディングの次の日、まさしから勧められて甘橿丘に登り、古人たちの生活や夢に思いを馳せました。

今日は趣味の話でした。

2006年10月23日

影響を受けたCD その17

アルヴォ・ペルト/アリーナ
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005FHPW/sr=1-9/qid=1160182288/ref=sr_1_9/249-6365212-9963522?ie=UTF8&s=classical

エストニア出身の現代音楽の作曲家アルヴォ・ペルトの作品。このアルバムはECMレーベルからのリリースです。
音をそぎ落としてそぎ落として創られた静寂の音楽。静謐な空間の中から音が、音楽が心安らかに忍び寄って来るイメージ。あまりにも美しく切ない音楽。
ペルトは自身の作品について、「プリズムを通過する光によく似ている」と言っているそうです。
この演奏、レコーディングは物凄く大変だったはずです。各奏者がほんの少しでもコントロール出来てない音を出すと音楽全体を壊してしまうところだったでしょう。

真剣にこのペルトの音楽と対峙したら彼の祈りが聞こえてくるでしょうし、就寝時のBGMにしたら心安らかな眠りにつけると思います。
この数年の間に僕を虜にした音楽の筆頭です。

2006年10月22日

影響を受けたCD その16

ザ・ベスト・オブ・スペース・ミュージック/ジョン・ウィリアムズ
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0009N2W4K/ref=sr_11_1/249-6365212-9963522?ie=UTF8

長きに渡って映画音楽作曲家として輝きを放ち続けているジョン・ウィリアムズの作品集。「スター・ウォーズ」「スーパーマン」「E.T.」「未知との遭遇」のタイトル曲などが収録されています。
このCDで演奏している「ボストン・ポップス管弦楽団」は、「ボストン交響楽団」が母体になったライト・クラシックやポップスを演奏しているオーケストラです。アーサー・フィードラーの後任として、音楽監督(指揮者)としてジョン・ウィリアムズがこの楽団に迎えられたのは1980年でした。また、この楽団に1979年、1980年に故山本直純先生が初めての日本人指揮者として登場して大喝采を浴びたそうです。

このCDは作曲家・指揮者としてのジョン・ウィリアムズを知るにはもってこいの作品です。数々のアイデアに溢れた作品、驚異的なアンサンブルを堪能出来る演奏、フィリップスの自然で周波数レンジ、ダイナミックレンジが広い録音によるハイクォリティな音質など、どれをとっても満足度が高いと思います。
気軽にオーケストラ音楽に浸りたい時に最高の作品ですし、ジョン・ウィリアムズの音楽と真剣に向き合いたい時にも最高の作品のひとつだと思います。
尚、彼はボストン・ポップス管弦楽団で1993年までクラシックの作品の指揮もしていましたし、映画音楽とは無関係の純音楽作品も書いています。

2006年10月21日

ライヴか、CDか

リスナーとして両方を楽しんでいる方、どちらか片方を好む方、様々です。
実際、僕の周りでも「ライヴ派」、「CD派」、「両方」と、様々です。

「ライヴ派」の方からは、「迫力が全然違う」と言われますが、どういう意味で迫力が違うと思うのかは人それぞれによって異なるようです。身体に感じる大音量を迫力ととらえる方、ライヴ特有の荒々しさを迫力と表現する方もいます。
コンサート会場で聴く音量と、家庭で大半の方が聴かれるであろうラジカセやミニコンポで聴く音量との差がありすぎるので、「全然迫力が違う」のは当たり前です。勿論、日本の住環境からすれば当然のことかもしれません。
また、ライヴでは実際にミュージシャンが目の前にいるので、視覚的な要素が加わりますので、それに感激するということもあるでしょうし、目の前にいるからこそ集中するということもあるでしょう。また、同じ場所の空気を吸っていたり、同じ時間を共有しているという実感も大きいと思います。

「CD派」の方からは、「ライヴのような不完全な要素(演奏の出来不出来だけでなく、音も)が多いものよりも完成度の高いCDの方がいい」とか、「日本のコンサートのPAは概して音やバランスが悪い」という意見もあります。
では、完璧な歌唱、演奏を有した音楽のみが果たして理想的な音楽なのでしょうか。

本来レコードは家庭で音楽などを聴くために実用化されたもので、コンサート会場に行く代わりのものでした。
現在にあってもこのように考えている方はおそらく「ライヴ派」でしょう。
レコード、CDが必ずしも「生の音楽」の代替、あるいは複製と思ってない方は「CD派」かもしれません。こういう方はきっとCDを「創作物」としてとらえているように思います。

ミュージシャン側でも、「生演奏と異なり何かが欠落する」としてレコードなどという不完全なものを認めなかった方もいますし、クラシック・ピアニストのグレン・グールド(バッハの「ゴルトベルク変奏曲」の名演で有名)やビートルズは、その活動の後期には不完全なコンサートを嫌い、基本的にレコーディングに専念した例もあります。

う〜ん、やはり甲乙付けるものではなく、それぞれの良さがありますよね。

2006年10月20日

チキガリ・レコーディング 5

10/19朝11時からマスタリングを行い、夕方、無事終了しました。
18日にともおさんに素晴らしいミックスをやってもらい、19日には酒サケさんに素晴らしいマスタリングをやってもらいました。
おふたりには勿論ですが、アシスタントの方々にも感謝しています。
そして、メンバーの皆さん、最後までつきあったあっちゃん、お疲れ様でした。

チキガリは毎年アルバムのレコーディングをする度にグレード・アップしています。
アルバムのコンセプトとは別に、アルバムごとに表現者としてのテーマを決めてやって来ました。
内容は企業秘密に属するようなことですので書きませんが・・・。

毎年一段ずつ階段を上るように、ひとつひとつテーマをクリアさせながらやって来ました。
次のシングルで、アルバムで更に進化した彼らの歌をお聴きいただけると思います。

2006年10月19日

チキガリ・レコーディング 4

10/18は朝11時からミックス・ダウンでした。
3曲やりましたので、終了したのは19日の午前1:30。
今から、片付けとコピーです。
その後、明日使用するスタジオに今日出来上がったDSDのディスクを届けに行って本日は終了。
はたして何時に届けられるでしょうか?
そして明日(実際には今日ですが)は朝11時からマスタリング。

明日の作業中にうっかり居眠りなどしないですむといいなぁ。

2006年10月17日

チキガリ・レコーディング 3

昨日からエディット作業に入っています。
午前11時に作業を開始して、深夜の0時40分まで、初日に録った2曲のエディットをやりました。
彼らの声だけで音楽を構成しているのですから、リップノイズ、ブレスノイズ、その他のノイズが沢山入っています。
不自然だったり、耳障りだったりするものをカットし、時には必要に応じて更に良いテイクがないかどうかも歌入れ直後以上に冷静になってセレクトしていきます。
今日も午前11時から作業しています。

前にも書きましたが、このような地道な作業が最終的な出来の明暗を分けますので気が抜けません。

2006年10月15日

影響を受けたCD その15

ホルスト/惑星etc. 
演奏:ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団/指揮:ズービン・メータ
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=881565

近年、平原綾香さんが歌った「Jupiter」が話題になりました。ホルスト作曲の組曲「惑星」の中の「木星」の中間部の有名なメロディに歌詞を付けたものでした。

この「惑星」には名演と呼ばれるものはいくつもありますが、僕にとってなかなか決定盤となるものが見あたらない中、これはかなり優れたものだと思います。
作曲者と同じイギリス人指揮者のガーディナーと、同じくイギリスのオーケストラであるフィルハーモニア管弦楽団(このオーケストラはEMIの名物プロデューサーだったウォルター・レッグが若き日のカラヤンにレコーディングさせるために作ったもの)がやったものは音質が良くおすすめ出来るものですが、「木星」の中間部の表現がもうひとつです。逆に僕にとって「木星」の中間部の表現が好ましいのは、バーンスタインがニューヨーク・フィルを指揮したものですが、全体的にはもう一歩だと思っています。レヴァインがシカゴ交響楽団を指揮したものは、流石にオケが超一流の金管楽器奏者を集めていることもあって金管の迫力もテクニックもピカイチですが、全体的なデリケートさや情感はもう一歩の感を否めません。

このメータのものは録音は古い(1971年)のですが、レーベルがデッカということもあり音質もなかなかで(勿論、録音のより新しいガーディナー盤やレヴァイン盤よりは落ちると思いますが・・・)、演奏は迫力と繊細さが同居した素晴らしいものです。
入手しづらいものでもよければ他にも良いと思われるCDはありますが、この盤がリーズナブルで内容も良いと思います。
また、あのジョン・ウィリアムズ作曲の「スター・ウォーズ」組曲がカップリング曲です。これも名演だと思います。

2006年10月13日

チキガリ・レコーディング 2

昨日と今日もレコーディングでした。

昨日と今日は20年以上前の曲のカバーをやりました。この曲は世間的にはあまり知られてない曲だと思いますので、新曲のように聞こえるかもしれません。
試行錯誤の結果、何と1曲の中に、リード・ヴォーカリストが3人いるということになりました。しかも3人目は、その3人とは別の人との2声コーラスになりました。
この曲をステージでやることになったら、PAのエンジニアは、もしかしたらパニックになるでしょうね。
今日は、朝からそのうちのひとりのヴォーカルを録りました。

2006年10月12日

チキガリ・レコーディング 1

昨日、チキン ガーリック ステーキのレコーディングを開始しました。
どういう形の商品になるかはまだ最終決定に至ってませんので、書くことは出来ません。
昨日は超有名外国曲と彼らの新曲を1曲やりました。

彼らとは不思議な縁で結ばれている気がします。
1999年の年末、新宿区のとある店で仕事仲間何人かと忘年会を催しました。
参加メンバー(順不同)は音楽評論家のTさん、現在オリコン社長のTさん、当時は雑誌「ステラ」の編集長をされていたNさん、現在JTBのSさん、「ぴあ」のSさん、音楽プロデューサーのTさん、そしてフリーフライト(さだ企画)の山下、早野、そして僕でした。

そこに「ぴあ」のSさんに連れられて来たのが、チキガリの最年少メンバーでアレンジを担当する、あっちゃんこと渡辺敦でした(この二人は中学校の同級生でした)。彼は昔からさだまさしファンで、「夏・長崎から」のイヴェントにも行ったことがあり、「いつかはそのステージに自分も立つことを夢見ていた」と聞きました。僕たちが仲間内で忘年会をやることをSさんから聞いて、Sさんからの誘いもあり、神戸からはるばるやって来たのでした。
その時、その場で彼らの自主制作盤を聴いて、出来もまずまず素晴らしいものだったし、将来性もあると思いながらも、つい忙しさにかまけて数ヶ月が経過してしまいました。

そして数ヶ月経って、さだ企画の佐田繁理社長から山下に、「面白いア・カペラ・グループが神戸にいる」という情報がもたらされ、「それは、チキン ガーリック ステーキのことですか?」と返したところ、「何で知ってるんだ?」ということになり、話がとんとん拍子に進行しました。社長は関西の仕事仲間の方から紹介され、何度か彼らのライヴを観ていたようでした。

そんなこんなで彼らと一緒に仕事をするようになり、現在に至ってますが、彼らの成長ぶりは驚異的なものがあります。
また機会があれば詳しく書くつもりでいます。

2006年10月08日

影響を受けたCD その14

キース・ジャレット/ケルン・コンサート
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=615925

昔、モーツァルトやベートーヴェンが活躍していた時代には、即興演奏がもてはやされていたようだ。実際にベートーヴェンは即興の天才だったらしい。
前にこのブログにも書いたが、マイルス・デイヴィス門下で、マイルスのグループを離れた後、キース・ジャレットはジャズというカテゴリーの中でソロ・ピアノの即興演奏にチャレンジし続けていた(近年ではモーツァルトのピアノ・コンチェルトも、この「ケルン・コンサート」と同様にECMからリリースしている)。
1975年にケルンで行われたコンサートの本番で、譜面も何もなしにピアノに向かい、作曲しながら弾き、弾きながら次をフレーズを作曲して、またそれを弾くという繰り返しをやったのが本作。

特にPart1(1曲目)は傑作。その美しい旋律とアイデアの数々。脱帽です。山間の湧き水がやがて大河になるように、小さなモチーフがその次の音楽を生む、その繰り返し。刻々と音楽が生まれ、移り変わり、気がつくと時が経過し、感動が降り積もっている。そして何時までも浸っていたいと思わせる音楽。音楽は熱く、ECMの録音ゆえに透明度が高い。ジャンルを超えた素晴らしい音楽。

2006年10月07日

レーベル・カラー

レコード業界に昔から「レーベル」というものがあります。
ひとつのレコード会社の中に、いくつものレーベルが存在したり、レコード会社とは直接関係ない独立レーベルも数多く存在します。
さだまさしファンの皆さんならご存じの「フリーフライト」は、さだ企画(さだまさし)が作ったレーベルです。

最近ではリスナーにとってレーベル・カラーなどというものは存在しなくなってしまったのかもしれませんが、僕はCDを買う時に、レーベルを調べてから買うことは多いです。
クラシック音楽のファンの方はお分かりだと思いますが、イギリスの「デッカ」はやや寒色系で、高解像度で鮮度が高く、ハイファイ基調ですし、オランダの「フィリップス」はやや暖色系で、温かくて落ち着いた気落ちの良い、ホールトーンをたっぷり含んだ音作りをすることが基調です。世界最大のクラシック・レーベルであるドイツの「グラモフォン」は、僕には「デッカ」と「フィリップス」の中間的なものに感じられます(まあ、中間と言い切ると語弊がありますが)。

ジャズのレーベルも数多く存在するのですが、僕にとって「CTI」や「ECM」が印象深いものです。
前者はプロデューサーのクリード・テイラーのレーベルですから「CTI」と名前が付いています。難しいジャズではなく、幾分BGMぽい分かりやすく商業的な作りのものが多いと思います。
後者の「ECM」はドイツのレーベルで、「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」という世界のトップ・オーケストラでコントラバスを弾いていたマンフレット・アイヒャーが作ったジャズや現代音楽のレーベルです。このレーベルのものは、多少寒色系で、透明感のある美しい音作りに特徴があります。

「フリーフライト」のオーナーでも社長でもない僕が決めることではありませんが、僕は僕なりに「レーベル・カラー」を作る手伝いをしてきているとは思っています。
世間的には「フリーフライト」はフォーク系のレーベルだと認識されていますが、さだまさしが作ったこのレーベルは本来そんな狭くて画一的なものを目指していたのではないような気がします。
僕にとっては「フリーフライト」のレーベル・カラー、サウンド・カラーは存在します。それはフリーフライト・レーベルのCDをお聴きくださったお客様がイメージすることと(ジャンル分けという意味ではなく)、おそらくそれほど遠いものではないと思います。

2006年10月06日

影響を受けたCD その13

Eagles/Hell Freezes Over
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1082776
イーグルスが1981年にバンド活動を停止して間もなく、インタビューで再結成の可能性を訊かれて、メンバーのドン・ヘンリーは「When Hell Freezes Over」(地獄が凍り付いたら。日本人の言い方では「太陽が西から昇ったら」という感じでしょうか)と答えたそうだ。しかし彼らは1994年に再結成し、その時のライヴツアーのタイトルは「Hell Freezes Over」となった。
CDとDVDでリリースされたが、上記のURLはDVDのもの。

CDは1994年の再結成ライヴの模様に、新たにスタジオ・レコーディングした曲を加えたものですが、抜群に音が良いです!!
音が良いのでオーディオのイヴェントでも度々使われているようです。
ちなみにエンジニアは、あのエリオット・シャイナーです。
このライヴ盤が出てからは、ライヴ盤を作るたびにこれに追いつき追い越せと意識してきました。

彼らの再結成はただの同窓会にはなってないところが凄いですね。確実に進化してます。1979年に全盛期のメンバーの時の東京公演を観に行きました。感激したところとそうでもなかったところが同居していたのですが、この1994年のライヴは本当に素晴らしいです。
唄がメインのグレン・フライを除けば、彼らはツイン・ギターのバンドです。それまでどちらかと言えばギタリストのジョー・ウォルシュの陰に隠れがちだったドン・フェルダーがこのアルバムでは輝いているように感じます。
大ヒット曲「ホテル・カリフォルニア」の1976年のオリジナル・ヴァージョンのエンディングのギター・ソロは、最初にドン・フェルダーが弾き、その後ジョー・ウォルシュに入れ替わり、その後ツイン・ギター・ソロになります。これがめちゃめちゃカッコイイのですが、この1994年のライヴではソロの順番が逆で、最初にジョー・ウォルシュが弾き、次にドン・フェルダーが弾いています。これが何とも言えず素晴らしい。基本的なコンセプトはアンプラグドなので、ここで二人はガット・ギターでやっているのですが、二人それぞれの個性を持った物凄く唄っているフレーズを弾いています。美しく悲哀を感じさせるギター・ソロなのに、内に秘めたテンションは高いです。まるで心臓を鷲掴みにされるような感じです。このライヴ映像を観る度に涙、涙の連続になります。
ドン・ヘンリーが唄うラスト曲の「デスペラード」というロック界最高のバラードのひとつも永遠に不滅だと思います。

2006年10月05日

佐田玲子アルバム・レコーディング7

このところ佐田玲子のレコーディングでした。
8/15にスタートしたレコーディングは、10/4に無事に終了しました。

10/2の朝11時から白石幸一郎さんアレンジのミックスを3曲やり、翌日の午前3時に終了。
10/3は朝11時から成山プロさんのアレンジのミックスを2曲やり、翌日の午前0時30分に終了。
10/4は神奈川県にあるスタジオに行き、午後1時からマスタリング。夜までやってました。

佐田玲子の新譜CDは、このところスターマンビジョンさんからリリースしています。
アレンジャーの皆さん、ミュージシャンの皆さん、A&Rの佐藤玲子さん、エンジニアの花木さん、アシスタントの皆さん、そしてマスタリング・エンジニアの田中さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

2006年10月02日

リスナーの日々

スケジュールが変わって、ここ数日間はレコーディングのない平穏な日々でした。

最近はCDを聴くのが楽しくて仕方がありません。
3年前、自室の電源をブレーカーからダイレクトに引っ張った時に劇的に音が良くなったのですが、それに勝るとも劣らないのがレクストさんの新技術NS441Dです。

かつてCDで聴いていたものをSACDで聴き直すと劇的に音が良くなったと感じます。
リマスターが成功したCDも劇的に音が良くなったと感じます。
それらと同じように、NS441D化したプレーヤーでCDを聴いたら、もうNS441D化してない通常のプレーヤーには戻れなくなってしまいました。
特にオーケストラものが素晴らしく、まるでスコアが見えるようです。空間の描写も素晴らしく、ホールトーンもより美しくなりました。ソロにしても合奏にしても音楽の表現力が桁違いに上がり、感動の度合いが別次元になりました。
リスナーとして、ここ数日は感動の日々を送っていました。

また明日(あっ、もう今日だ!)からはスタジオの日々。
こちらも感動の追求です。

2006年10月01日

影響を受けたCD その12

Steely Dan/Gaucho(ガウチョ)
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=798002

スティーリー・ダンの、「Aja」の次のアルバム「ガウチョ」も素晴らしく、ミックスを担当したエリオット・シャイナーというエンジニアの音は今でも素晴らしいと思っています。

相変わらず素晴らしい曲、歌、完成度が高いサウンド。僕にとって「Aja」のタイトル曲ほどのインパクトは「Gaucho」のどの曲にもありませんが、粒ぞろいの名曲たちだと思います。インパクトは少なくても、案外心に染み入るのはこちらの方かもしれません。「Aja」と比べて総合的な完成度は更に高いと思います。

ホットな「Aja」に対し、この「Gaucho」はクール。音数は「Aja」よりもわずかに少ない感じで、更に洗練され、より研ぎ澄まされたサウンド。
先日、久しぶりにこのアルバムを聴いて、改めて様々なことを考えさせられました。
究極の構築美に溢れる作品は、もしかしたらその美しさゆえに儚いのかもしれません。極度の洗練が、もしかしたら熱を奪っているかのように見えるのかもしれないと。

尚、最後になりましたが、僕自身、今まで仕事をさせて頂き、協力して頂いた様々なミュージシャンやスタッフの方々に感謝しています。
さだまさしや佐田玲子などのフロントマンがいて、気心が知れた超一流のスタジオ・ミュージシャンやスタッフの方々がいらしてこそ、皆で力を合わせて納得のいく作品を作り出せるのだと思っています。