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2006年11月30日

影響を受けたCD その34

「生福/内容の無い音楽会」
大変申し訳ありませんが、今回は廃盤の紹介です。

このアルバムはアレンジャー兼シンセサイザー・マニピュレイターの生方則孝氏と同じく福田裕彦氏のユニット「生福」が作ったほぼ全篇パロディのCDです。
タイトルからしてパロディですが、その内容は凄い、の一言です。
次から次へと様々な曲が登場するのですが、パロディになった元の音楽(のイメージ)を知っていれば知っているほど可笑しいです。初めて聴いた時は、ダウンの連続でした。

ここでは詳細は控えますが、ネットで「内容の無い音楽会」を検索すれば、かなりたくさんヒットすると思います。
こんな素晴らしいアルバムが廃盤になっているなんて、本当に残念です。
この間、佐田玲子のアルバムをレコーディングした時の「成山プロ」という名前のアレンジャー・ユニット(?)のひとりの方が、生方さんの弟分の方でした。その時に、このアルバムの思い出話で大いに盛り上がりました。

生方則孝氏のHPで、このアルバムを再発させるための署名活動をしていますので、興味のある方はこちらもネットで検索してみてください。
尚、もし署名される場合は自己責任でなさってください。ちなみに僕は署名しました。

2006年11月29日

チキガリ・コンサート

もうすぐチキン ガーリック ステーキのクリスマス・コンサート・ツアーが始まります。

12/9(土) 東京 キリスト品川教会・グローリアチャペル
12/10(日) 横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール
12/17(日) 大阪厚生年金会館芸術ホール
12/21(木) 静岡 江崎ホール
12/22(金) 名古屋 今池ガスホール
詳細は下記URLをご覧ください。
http://www.cgs.jp/schedule/concert.htm

もう彼らと仕事をするようになって数年になりますが、本当に彼らには頭が下がります。
日本に於けるア・カペラ・グループの草分けの彼らが、今でも年々確実に成長を遂げています。これは簡単なようでいて、実はとても難しく大変なことです。
かつて彼らから神戸の震災の話を聞いたことがありますが、その話から彼らの心根の優しさと心意気を感じ、益々彼らを好きになりました。

ア・カペラというとクリスマスやバレンタインデーのイメージがあります。
「愛」にちなむ日(季節)に、彼らの心根や温もりに触れるためにも、彼らに会うのを楽しみにしています。

2006年11月28日

影響を受けたCD その33

「オリビア・ニュートン・ジョン/Warm and Tender」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000000OZA/sr=1-1/qid=1161760087/ref=sr_1_1/250-9723132-8331458?ie=UTF8&s=music

1970〜80年代に日本でも絶大な人気を誇った歌姫オリビア・ニュートン・ジョン。
当時、日本武道館のコンサートを聴きに行きました。愛くるしいマスクと透明感のある声を持った、まるで妖精のようなイメージでした。
そんな彼女が1980年代の終わりに、未来を担う子供たちのために作ったスタンダード集がこれです。
素晴らしい選曲(虹の彼方に、星に願いをetc.)とオーソドックスで美しいアレンジ。相変わらず愛らしく、少しハスキーな透明感のある声。とにかく癒されます。音も素晴らしく、オーケストラもよく歌っています。
僕にとってはこのアルバムがその後の「にっぽん」「にっぽん2」につながっていきました。

2006年11月27日

影響を受けたCD その32

スメタナ/交響詩「我が祖国」
演奏:京都市交響楽団/指揮:ウーヴェ・ムント
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=730254

数年前に何となく安さにひかれて購入し、聴いてみたらホームランでした。
凄い時代になったものです。こんな素晴らしいCDがたった¥700位で買えるなんて。
それまで名前しか知らなかった京都市響ですが、こんなに熱い演奏をし、こんなに歌心溢れるオケだとは思いませんでした。このCDは知られざる名盤だと思います。
こんなに安価に優れたCDをリリースしてくれる「Arte Nova」というドイツのレーベルに魅せられて、このレーベルのものを何枚も買ってみました。この他にも素敵なものが沢山ありました。
このレーベルのCDは「安かろう悪かろう」からは程遠く、演奏内容も音質も素晴らしいものが多いです。衝撃的でした。
尚、この「我が祖国」の第2曲が、さだまさしの「男は大きな河になれ」の元になった、あの有名な「モルダウ」であることを、ご存じない方のために申し添えておきます。

2006年11月26日

スーパー・トゥイーター

久々のオーディオネタです。スピーカーの(エンクロージャーの)前面にサラン・ネットと呼ばれる通常は布などで出来ているカバーがあります。サラン・ネットを外す(外すことが出来ないものもあります)とスピーカーのユニットがひとつ或いは複数個現れます。

ひとつしかない場合、そのスピーカー・ユニットはフルレンジと呼ばれるものです。また、複数個ある場合、一番下にある場合が多い、低音域を担当する口径の大きいユニットをウーハー、一番上にある場合が多い、高音域を担当する口径が一番小さいユニットをトゥイーターと呼んでいます。また、中音域を担当する中間サイズのユニットもあり、これをスコーカーと呼んでいます。
更に低い音域を補うのをスーパー・ウーハー、更に高い音域を補うのをスーパー・トゥイーターと呼んでいます。

このスーパー・トゥイーターを追加することによってサウンドが激変するのです。ただ単に高域が伸びるというのではなく、全体的な音質や音楽の雰囲気、空気感などが変化します。
最近、このスーパー・トゥイーターをそれまで使用していた某社のものからTAKET-BAT1(テイクティ バットワン)というものに変更しました。

もう大変です。時間が欲しくて欲しくて仕方ありません。あの素晴らしいNS441Dと、このTAKET-BAT1とが相まって、それまで聴いていたCDがまるで別物のように聞こえるのです。演奏は全体的に更に上手に聞こえ、歌やソロ楽器は更に表情豊かに、より感動的になりました。特別なネットワークや知識も必要なく、ただスピーカーの上に置いてケーブルをつないだだけで、身も心もとろけそうな体験をしています。

2006年11月24日

チキン ガーリック ステーキのニュー・シングル

チキガリが何年も前からステージで歌ってきた「Let's go to the LIVE!」をシングルCDとして1/17に発売します。

一部では情報が流れているかもしれませんが、出会いが出会いを呼び、タイアップが決まり、年が明けて少ししたら西日本でテレビ・コマーシャル、ラジオ・コマーシャルがオン・エアーされます。クライアントは、日本旅行さんで、「日本旅行 赤い風船 35周年キャンペーン・ソング」として、テレビでは東京ディズニーリゾートの映像のバックに使用されます。映像と音楽が完璧に寄り添ったクォリティの高い凄いCMだと思います。
東日本では見ることは出来ないと思いますが、東日本にお住まいの方も機会がありましたら、是非どこかでご覧ください。
尚、CDのカップリングは、あの名曲「星に願いを」のカバーです。
機会を与えてくださったSさんを始め関係者の皆様、ありがとうございました。

2006年11月22日

影響を受けたCD その31

ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調「新世界より」
指揮:イシュトヴァン・ケルテス/演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HW12/sbba-22/ref=nosim
指揮:ヴァツラフ・ノイマン/演奏:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00009SF0V/sr=1-2/qid=1161005545/ref=sr_1_2/249-6365212-9963522?ie=UTF8&s=classical

第2楽章のイングリッシュ・ホルンが奏でるメロディ(日本では「家路」として有名)は印象的ですし、近年ではCMで第4楽章が使用されて、街中で子供が口ずさんでいるのを聞いたこともあります。

僕にとって上記の2枚は甲乙付けがたい演奏です。
前者はハンガリー生まれの指揮者ケルテスが31歳で名門ウィーン・フィルを振った名盤。ケルテスの歌心、情熱が、オーケストラの名門としてベルリン・フィルと並び称され、柔らかく美しい音色を持つウィーン・フィルと出会って実を結んだもの。純粋に音楽美に溢れた演奏。
後者はチェコの巨匠・ノイマンが、本場のチェコ・フィルを振った定番。特に有名な美しくてもの悲しい第2楽章が絶品だと思います。それにしてもチェコ・フィルの弦は本当に美しいですね。
上記の2枚ともたった千円で入手出来るのですから、音楽ファンにとって良い時代になったものです。

2006年11月21日

影響を受けたCD その30

モーツァルト/クラリネット協奏曲&クラリネット五重奏曲
クラリネット:デヴィッド・シフリン/演奏:モーストゥリー・モーツァルト祝祭管弦楽団/指揮:ジェラルド・シュウォーツ(協奏曲)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0000006VG/sr=1-1/qid=1162888197/ref=sr_1_1/250-9723132-8331458?ie=UTF8&s=music

クラリネットという楽器が発明され、その音色に魅せられたモーツァルトは最晩年にこの楽器を主役にした曲を2曲書いています。これら2曲は「モーツァルト晩年の枯淡の境地」という言葉と共に語られることが多いと思います。
2曲とも天国的な美しさに充ち満ちており、聴いていると何とも言えない落ち着いたゆったりした気分になれる曲であることは間違いありません。バセット・クラリネットと呼ばれる低音域を伸ばしたこの楽器を使ったものは充実した低音から済んだ高音まで、どの音域でも美しいことこの上ないものと思います。

特にデヴィッド・シフリンによるこのCDは、僕が今まで聴いた中で演奏、音質ともに優れたものの筆頭です。どちらの曲にしても、聴き始めると、永遠にこの美しさに包まれていたい、このまま聴き続けていたいと思わせるような音楽であり、演奏です。
上記のCDは輸入盤ショップでしか入手出来ないものですので一般的とは言えませんが、僕にとって他の演奏を聴いて気に入っても、しばらくするとまたこの演奏に戻ってしまいます。この盤も手放したくないもののひとつです。
尚、入手しやすいものの中では、下記がオススメです。
http://www.hmv.co.jp/Product/detail.asp?sku=1975099

2006年11月19日

M.S.コーラス練習再開

コンサート本番後、2週間練習がありませんでしたが、昨日から練習を再開しました。
休みの間にアレンジした「愛の音」を始めました。
この曲は、メロディの譜割りは決して難しくはありませんが、音域がものすごく広いので歌いこなすのは大変です。
ひとつのフレーズの中の、たった2小節の間に、ほぼ2オクターブの音が詰まっています(メロディ全体では、ぴったり2オクターブ)。
M.S.コーラスの皆さん、チャレンジのしがいがありますよね!

2006年11月17日

影響を受けたCD その29

モーツァルト/ピアノ協奏曲集
ピアノ:アンネローゼ・シュミット/演奏:ドレスデン・フィルハーモニー/指揮:クルト・マズア
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=329712

今年はモーツァルト生誕250年です。モーツァルトはたった35年の生涯に断片も含め700曲以上の作品を残しました。研究家によると、モーツァルトのスコアにはほとんど書き直した跡がみられないことが指摘されています。これは驚異的なことです。オーケストラ作品であろうが、オペラであろうが、彼の頭の中には完成した音楽が鳴っていた、ということです。そして、その音楽をただ書き写しただけなのでしょう。
モーツァルトを評した言葉はいくつも残っているでしょうが、文芸評論家の巨人・小林秀雄氏の「モーツァルトの悲しさは疾走する。涙は追いつけない。」という言葉ほど有名で、印象的なものはないかもしれません。また、「モーツァルトは長調においても悲しいメロディを書けた」というのが、モーツァルト・ファンの共通の思いなのかもしれません。

天才モーツァルトの作品の中でも、とりわけピアノ協奏曲は優れていると指摘する人は沢山います。僕もそう思うひとりです。特に20番以降のものには神が宿っているとしか思えません。個人的には20番、21番、23番(特に第2楽章)には心を揺さぶられます。一体モーツァルトはその心の中にどれだけの悲しみを抱えていたのでしょうか。ベートーヴェンが人類全体の未来を見つめていたのだとすれば、モーツァルトはもっとパーソナルな、掌に乗るような個々の喜びや悲しみを感じて宇宙を描いたのでしょうか。
内田光子さんの全集、マレイ・ペライアの全集など、優れたものはいくつもありますが、このアンネローゼ・シュミットの演奏は、どこまでも叙情的で、優しく、柔らかく、悲喜こもごもを表現していると思います。バックのドレスデン・フィルも良い味を出していて、これも絶品です。アナログ録音完成期のものですので、音質も温かくて素晴らしいと思います。こんなに凄い演奏のCDがこんなに激安でリリースされているのですから驚きです。

2006年11月16日

創立記念日

昨日11月15日、(株)さだ企画が創立30周年を迎えました。
会社残留組(ツアー組以外という意味です)で、東京・四谷にある有名な「わかば」のたい焼きを食し、質素に(?)祝いました。

これまでやってこられたのは、まさしを始め皆の努力もありますが、社外で支えてくださった沢山の方々のお陰です。
とりわけファンの皆様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

2006年11月15日

影響を受けたCD その28

「Disney Fantasy World/演奏:Cincinnati Pops Orchestra/指揮:Eric Kunzel」
http://www.hmv.co.jp/product/detail/324346
ディズニー・ファンにとってはたまらない、ディズニーの曲をオーケストラが演奏した最高のCDのひとつです。

クラシック曲をポップスにアレンジしたり、ポップスをクラシック風にアレンジしたもので出来のあまりよろしくないものは残念ながらいくつもあります。逆にとても良く出来ているものもいくつかありますが、これは間違いなくそのひとつだと思います。
アレンジや演奏に多少わざとらしいところがあるようにも思いますが、全体的には曲もアレンジも、音も演奏も素晴らしいので、全て許せてしまいます。
このCDは、音が良いことで有名なクラシック・レーベル「テラーク」からのリリースです。いくつもの有名なメロディを乗せてオーケストラ・サウンドが熱く迫ってきます。流石にジャック・レナーの録音です。これもBGMにするのも良し、対峙して聴くのも良し、のCDです。

超オススメのCDですが、たったひとつ難点(?)があります。これを聴くと間違いなく、どんなに忙しくても東京ディズニー・リゾートに行かずにはいられなくなります。ああ〜、クリスマス・シーズンだっ! もう我慢出来ない!!

そう言えば、7〜8年前に東京ディズニーランドに行った時、シンデレラ城前のショーを観るために空いている席を探しあて、座ろうとした瞬間に横から声をかけられました。声がした方を見ると何と作編曲家の渡辺俊幸さんでした。彼はその年にそのショーのアレンジを担当したので観にいらしたそうです。ホントに凄い偶然でした。

2006年11月14日

影響を受けたCD その27

本来ならば影響を受けた作曲家、と言う方が正しいのですが・・・。
「伊福部昭/シンフォニア・タプカーラ、SF交響ファンタジー第1番」
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1784360

伊福部昭さん(1914年5月31日〜2006年2月8日)は日本を代表する作曲家のひとりですが、戦前は作曲活動をしながら厚岸森林事務所で林務官として勤務し、戦後は音楽を職業にするために上京。
その後、現在の東京芸大で作曲科の講師をし、芥川也寸志さん、黛敏郎さん、矢代秋雄さんなどを育て、その傍ら映画音楽の作曲をするようになったようです。

僕が初めてオーケストラを使った音楽に触れ、好きになったのが、伊福部先生の「ゴジラ」でした。
伊福部先生の作曲技法上の最大の特徴は、民族的旋法の使用、ラヴェルの「ボレロ」からの影響と思われるオスティナートの重視、そしてオクターブ・ユニゾンの大胆な使用だと思います。

このCDに入っている「SF交響ファンタジー第1番」は、ゴジラのテーマを含む特撮映画の音楽をまとめたものです。
子供の頃に、このような素晴らしいオーケストラ作品に出会えたことに感謝しています。

2006年11月11日

影響を受けたCD その26

「ビートルズ/アビー・ロード」
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=690778
1969年発表のビートルズのラスト・アルバム。

サウンド、集中力、気迫、完成度、音質共に彼らの最高傑作。
アルバム・ジャケットが、彼らの使っていたアビー・ロード・スタジオの斜め前の横断歩道を4人の中ではポールだけが裸足で歩いている写真だったことや、レコードを逆回転させるとポールが死んだという歌詞になるという俗説(?)があったり、このアルバムがリリースされた後、ポール・マッカートニー死亡説が出ました。

特に後半(当時のB面)のメドレーは素晴らしい。当時最先端の楽器であったシンセサイザーの使用、エリック・クラプトンの参加などもあり、興味は尽きません。
どの曲も傑作ですが、個人的には、「ビコーズ」と「サン・キング」のコーラスが印象的です。コーラス・グループではない彼らが、こんなにも美しいコーラスをやるのは驚きです。

ロンドンの北西のアビー・ロードにある世界一有名な横断歩道の前に立つと、車が止まってくれます。僕もそこで写真を撮りました。
2000年にレコーディングするためにアビー・ロード・スタジオに入る時、見とがめられるかと心配しましたが、僕たち日本人が来ることが分かっていたためか、すんなり入れました。建物内にはスタッフやスタジオ利用者のためのレストランがあって、そこで昼食をとってから作業に突入しました。その日は弦のレコーディングのためにアビー・ロードの2スタ(1960年代中期〜後期はビートルズの専用スタジオと化していた)を使用したのですが、日本からコンサートのために同行したリズム隊の皆さんやコンサート・スタッフなど、本来その日の作業とは直接関係ない人たちもスタジオに集合してしまいました。みんな子供の瞳になっていたのが印象的でした。建物内の売店ではスタジオの名前入りのポロシャツ、キーホルダー、マグカップなどが売られていたようです。

2006年11月10日

影響を受けたCD その25

「ビートルズ/サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=690757
音楽史上初のコンセプト・アルバムと言われる1967年発表の傑作アルバム。ビートルズではなく、「ペッパー軍曹のバンド」という架空のバンドが演奏している、という前提で作られています。

「ラバー・ソウル」を更に発展させた様々なジャンル、というより「ビートルズ」というジャンルの音楽をやっているイメージです。このアルバムも誰でも知っているような曲が入っているわけではありませんが、クォリティの高い素晴らしい曲達が入っています。

今、僕たちがスタジオで何か変わった新しいと思えるようなことをやろうとすると、原点を辿ればそのほとんど全てをビートルズがこのアルバムでやってしまっている、という事実があります。ビートルズ、ジョージ・マーティン、エンジニア達の素晴らしい仕事です。
このアルバムを4チャンネルのマルチ・トラック・レコーダー2台で作ったということが信じられないほど、創意工夫に溢れているアルバムです。
このアルバムには一生足を向けては眠れません。

2006年11月08日

影響を受けたCD その24

「ビートルズ/ラバー・ソウル」
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=690739
やはりビートルズには名曲、名盤が多いですね。アルバム単位で考えると特に気に入っているものは3枚ありますが、その中でリリースが一番古いものは「ラバー・ソウル」(1965年)。

アイドル・ロック・バンドだった彼らが、真の音楽家への道を歩み始めた最初の作品だと思います。別の言い方をすれば、普通のロックン・ロールをやっていた彼らが広大な音楽の空間、様々なジャンルの音楽を追い求めて彷徨い始めた作品。

誰でも知っているような有名な曲は入ってないかもしれませんが、様々な要素を取り入れた素晴らしい曲たちがそろっています。ロック中心の曲の中に、インドの民族楽器シタールを使った「ノルウェーの森」、ポール・マッカートニーが歌う英語とフランス語の混じったラヴ・ソングの「ミッシェル」、ジョン・レノンの切ない声が印象的でフォークっぽい「ガール」、最もビートルズらしく、間奏で突然バロックっぽくなる「イン・マイ・ライフ」などが入り込み、総合的な音楽を指向したビートルズそのものと言ってもいいかもしれません。
特に「イン・マイ・ライフ」の間奏は、プロデューサーのジョージ・マーティンのキーボードによるものですが、何ともセンスが良く、気に入っています。

2006年11月07日

影響を受けたCD その23

「チック・コリア/リターン・トゥー・フォーエヴァー」
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=623782

1972年にチック・コリアが発表したフュージョンの幕開けと言えるような記念碑的なアルバム。
アルバム・タイトルがそのままグループ名でもありました。
メンバーは、チック・コリア(エレクトリック・ピアノ)、スタンリー・クラーク(ベース)、ジョー・ファレル(サックス、フルート)、アイアート・モレイラ(パーカッション、ドラムス)、フローラ・プリム(ヴォーカル)。

このアルバムは、「カモメのジャケット」のアルバムとして音楽ファンにはあまりにも有名なもの。特に「フェンダー・ローズ」(※)というエレクトリック・ピアノの代名詞になった楽器の音色が好きな人にとっては画期的な作品。事実、僕はこのアルバムと「スタッフ」というフュージョン・バンドのリチャード・ティーの影響で学生時代にアルバイトをして「フェンダー・ローズ」を買いました。
全体的には牧歌的なサウンドでありながら、適度な緊張感がある。透明感、爽快感、、清涼感、楽園、幻想的空間、郷愁などこのアルバムを表現するための言葉には困らない。チック・コリアの未来を、フュージョンの未来を暗示するような好アルバム。
尚、このCDもレーベルはECMです。

※時々「フェンダー・ローデス」と表記されている時がありますが、それは誤り。ハロルド・ローズ(Harold Rhodes)氏が発明したエレクトリック・ピアノを楽器メーカーのフェンダー社が売っていたもので「フェンダー・ローズ・ピアノ」、「ローズ・ピアノ」などとも呼ばれています。レコーディング・スタジオには今でもアコースティック・ピアノと並んで、このフェンダー・ローズが置かれていることが多いです。

2006年11月05日

影響を受けたCD その22

もしかしたら日本人の一番好きなクラシック曲かもしれない、ヴィヴァルディの「四季」です。
「ヴィヴァルディ/四季」
演奏:イ・ムジチ合奏団/ソロ・ヴァイオリン:フェリックス・アーヨ
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005FF5D/sr=1-4/qid=1160974952/ref=sr_1_4/249-6365212-9963522?ie=UTF8&s=classical

イ・ムジチは新しいリーダーを迎える度にこの曲をレコーディングしていますが、これは2回目の1959年録音のものです。
さすがに今となっては録音が古いのは否めませんが(とは言ってもかなり音も良いです)、演奏は今もってこのテイクが一番だと思っています。

近年(と言っても1980年代末あたりから)は古楽器(ピリオド楽器)がもてはやされ、ヴィブラートのないピュアなサウンドが好まれる傾向があります。
事実、バロック〜ロマン派の初期あたりまでは古楽器を使った演奏はかなりあります。
しかし楽器や音楽表現がそれ一辺倒になってしまったら寂しいと思うのは僕だけでしょうか。

この盤では現代の楽器を使い、ヴィブラートがかけられた音、全体的によく歌うフレーズ、明るい音色、分かりやすい喜びや哀しみの表現などの特徴を感じます。
これ以外にも現代楽器を使用したもの、古楽器を使用したもの、共に有名な演奏は数多くありますが、やはりこれは決定盤のひとつだと思います。

古楽器(ピリオド楽器)によるものをお聴きになりたい場合は、下記のカルミニョーラのものがオススメです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1373647

2006年11月04日

影響を受けたCD その21

「チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番変ロ短調」
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ/演奏:バイエルン放送交響楽団/指揮:キリル・コンドラシン
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1071264

もしかしたらこの演奏は賛否両論あるかもしれません。若かりし頃のアルゲリッチのテクニックと情熱が爆発。何とも凄まじい演奏です。
僕は25年の時をこの演奏と共に過ごしてきたと言っても過言ではないかもしれません。時々聴かずにはいられないCDがあるのですが、その中の1枚がこれです。
アルゲリッチだけでなく、オケと指揮者を含む音楽全体のエネルギー感と魂に何度聴いても脱帽です。

一昨年だったか、SMAPの中居正広さんの主演でテレビドラマ「砂の器」をやっていました。その最終回だかのクライマックスで中居さんがチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の第3楽章を弾くシーンがありました。その番組の関係者から、男性でこの超絶技巧が必要とされる第3楽章を難なく弾きこなせ、中居さんの代わり(つまり手だけを撮影される)をやってくれそうな人を知りませんか、と訊かれたのですが、スケジュールが合わなかった方以外に即座に思いつく方がいらっしゃらなかったので残念ながら推薦することは出来ませんでした。結局どなたがおやりになったのでしょうか。僕は何回かその番組を観たのですが、中居さんの「あてぶり」はとても上手だと思いました。

2006年11月03日

影響を受けたCD その20

「ブラームス/ヴァイオリン協奏曲」
ソロ・ヴァイオリン:ジネット・ヌヴー/演奏:北ドイツ放送交響楽団/指揮:ハンス・シュミット=イッセルシュテット
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=680351

疲労が蓄積すると決まって聴くCDが何枚かあるが、その内の1枚がこれ。
このCDはリラックスさせるものではなく、自分に活を入れるためのものであり、反省材料にもなっている。

ヌヴーは1919年にパリで生まれ、15歳で出場したコンクールでは、未来の大巨匠ダヴィッド・オイストラフを2位に押さえ、優勝した。
その後、世界各地で活躍するも、1949年、30歳の時、アメリカへ演奏旅行に向かう途中の飛行機事故によりこの世を去ってしまう。
このCDは死の前年1948年の魂の記録だ。この演奏は音質を超越している。
僕はこの演奏にヴィルヘルム・フルトヴェングラーと同質のものを感じる。
勿論、彼女のテクニックが優れているのは当然だが、深い精神性、集中力、意志、激情などは他のヴァイオリニストの追随を許さないと思っている。

2006年11月02日

佐田玲子アルバム「懐郷」2

引き続きアルバムの内容を僕の視点から書きますので、未だ詳細をお知りになりたくない方は、お読みにならないでください。

8.踏み絵
長崎弁で歌った曲ですので、「好いと」の続編のように感じるかもしれません。アレンジは白石さんにお願いし、実際にステージでそのまま出来るように、生ピアノ、生ギター、ヴァイオリンという編成でやってもらいました。緊張感のあるいいオケになったと思います。歌も絶品です。

9.私の空
これは元白鳥座のたかひらゆたかさんに発注して作ってもらった曲。佐田玲子が白鳥座を脱退してソロでやっていくことになった時、1stアルバムはデパートでいいと思ったのですが、2ndアルバムからは大きなテーマを設定すべきだと思いました。都会には夢を追い求めて地方から出てこられた方が多いという現実に鑑み(実際、佐田玲子は長崎出身です)、そういう方の生活や心の葛藤をテーマにすることを決めました。この曲もそれがテーマで、アレンジは成山プロ®です。

10.十三夜
これは佐田玲子特有の幻想的な世界を持つ曲です。これまでに「銀の舟」「月の輝く草原で」などがあります。アレンジは安田さんにお願いし、イメージ通りの美しく、幻想的で、空気感のあるものにして頂きました。オケ、歌ともに、これも良い出来になったと思います。

11.懐郷
アルバムのタイトル曲です。元々、故郷を思う童謡っぽい曲ですので、白石さんにお願いして、アコースティックで美しいもの、穏やかで温かいものにしてもらいました。友永さん始め弦の方々にも協力して頂いて華を添えてもらいました。歌も良い感じに仕上がりました。
アルバム本編は以上です。

12.星ちゃんに捧げる歌(ボーナス・トラック)
これは20年前の録音です。元々市販するつもりはなく、デモとして録っていたものです。佐田玲子(白鳥座)デビュー25周年を迎え、昔からのリスナーの皆様にも喜んでいただきたくてボーナス・トラックとして追加しました。歌っているのは第2期の白鳥座です。

全体的に佐田玲子自身の更なる成長を感じさせる出来になったと思います。歌い手としても、ソング・ライターとしてもです。
本人の努力は当然ですが、ライヴなどにお越しくださるリスナーの皆さんがあってこそだと思いました。勿論、アレンジャー、ミュージシャン、スタッフのみなさんの協力も多大なものがあります。皆さん、ありがとうございました。

2006年11月01日

佐田玲子アルバム「懐郷」1

10月上旬までレコーディングをしていた佐田玲子のアルバムが12/6にリリースされます。
CD番号:DDCS-4015 発売日:12/6 税込価格:¥2,800 発売元:スターマンビジョン 販売:バウンディー
2回に分けて僕の視点で書きますが、未だ詳細をお知りになりたくない方はお読みにならないでください。

1.Overture 〜懐郷〜
アルバムラスト曲の「懐郷」のショート・ヴァージョンであり、歌詞のある歌ではありません。歌詞の部分は玲子の台詞になっています。尚、歌メロのハミングは元白鳥座のメンバーのひとり佐藤恵さん(旧姓:阿部)です。

2.決心
アレンジは安田裕美さん。この曲が出来上がった時に、リズミックな曲なので普通にドラムスが入ったアレンジをしてもらうと、それこそ普通の曲になってしまうと判断しました。安田さんにお願いして、パーカッションとギターがメインで鳴っているサウンドにして頂きました。アレンジもオケも格好良くて最高ですよ、安田さん。玲子の歌も良い味を出しています。

3.うたたね
アレンジは白石幸一郎さん。安田さんの生ギターがメインで、弦楽四重奏が印象的です。春の日差しのような温かいぬくもりをイメージしました。玲子のファルセット・ヴォーカルが効果的で、そこにある仕掛けを施しています。アレンジも演奏も美しいです。

4.素直になればよかった
アレンジを白石幸一郎さんにお願いした、ジャズの雰囲気を持ったシティ・ポップス風のラヴ・ソングです。歌詞は何度も何度も推敲を重ねた結果、完成度が高まりました。個人的にはスティングの「シスター・ムーン」を意識しました。

5.電車の中で
歌詞の内容はかなり辛辣で、メッセージ性が強い曲です。それゆえ、アレンジは軽く浮遊感のあるものにするようお願いしました。アレンジは「成山プロ®」というユニット名のおふたりです。個人的にはフィル・コリンズの「ワン・モア・ナイト」のイメージでした。部分的にですが、レコーディングで初めて玲子がギターを弾きました。

6.どうせ棄てるものならば
これは今年の佐田玲子のライヴ・ハウス・ツアーでやったアレンジそのままで、生ギターを安田さんに弾いていただいて、スタジオできちんと録ったものです。弦の皆さんも熱演してくれました。ところが、取り終わった後、アレンジャーの白石さんが、「イントロを無くして、玲子さんのア・カペラで始めるのはどうですか?」と。次の日に僕は白鳥座の元メンバーに電話しました。この曲は第2期白鳥座のア・カペラ・コーラスからスタートします。

7.ここにいるよ 〜大丈夫〜
これは近年ライヴでも歌っていた曲です。確かライヴでは玲子のギターだけで歌っていたと思います。ここではアレンジを白石さんにお願いして、アコースティックな心地良さを活かしてやってもらいました。歌も穏やかで温かいものになったと思います。