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2007年06月28日

影響を受けたCD その77

ラヴェル/管弦楽曲集
演奏:ロンドン交響楽団/指揮:ピエール・モントゥー
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=227656

ラヴェルの音楽が大好きで、沢山の演奏を聴いてきました。その中で特に気に入っているもののひとつが上記のモントゥーのCDです。
フランス人であるモントゥーが創る音楽は、お国もののラヴェルだけでなくベートーヴェンやブラームスなどの作品も正統的で品があります。ウィーン・フィルやロンドン交響楽団とのベートーヴェンの交響曲も素晴らしく、模範的な演奏のひとつと言えるでしょう(個人的にはロンドン交響楽団とのものの方が出来が良いと思います)。

このCDがレコーディングされたのは彼がロンドン交響楽団の首席指揮者だった時期ですから、相性が良いのは当たり前かもしれません(彼は最晩年に要請されてロンドン交響楽団の首席指揮者に就任し、最後の花を咲かせました)。
モントゥーのクレッシェンドやデクレッシェンドには愛情と魂がこもっています。クレッシェンドをテレビやステレオのボリュームを上げるのと同じように、音量だけを上げるような味気ない演奏が多すぎると常々思っています。デクレッシェンドも同様です。
ピエール・モントゥーとロンドン交響楽団の演奏は、たったひとつの音にさえ、その音を作曲家が書いた意味を見出し、ひとつひとつの音を心から慈しんで弾いているように感じます。そうでありながら、その音楽の全体像を見失うこともありません。機械的で無機的な愛情のない演奏からはほど遠い彼らの紡ぎ出す「魂の音楽」は僕にとって最高の宝物のひとつです。
このアルバムの中では「マ・メール・ロワ」が特に美しい演奏だと思います。幼い頃に万華鏡をのぞき込んでワクワク、ドキドキしたように、時折これを聴いて夢幻の時のような音空間に浸りながら至福の時間を過ごしています。

尚、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」や「春の祭典」などを初演したのはモントゥーでした。

2007年06月25日

影響を受けたCD その76

ドビュッシー/管弦楽曲集
演奏:フランス国立放送管弦楽団/指揮:ジャン・マルティノン
http://www.hmv.co.jp/product/detail/662147

ベートーヴェン、ラヴェル、ドビュッシーの音楽が特に好きです。
古楽〜古典〜ロマン派〜近代〜現代への音楽の流れはとても興味深いものがあります。僕は学者ではありませんからアカデミックなことは書けませんが、この流れは必然のように思います。
フランス近代音楽(印象派)の巨匠ドビュッシーの音楽は、管弦楽作品にしてもピアノ作品にしても、美しい色彩感を持っていますので、物凄く聴きたくなる時が周期的に訪れます。

アンセルメ、ミュンシュなど何枚ものCDを聴いてきましたが、いつもこのマルティノンのものに戻ってしまいます。この演奏には「豊かな響きと陰影に富んだ色彩感」だけではすまされない何かがあります。これ以上は言葉がありません。脱帽です。

比較的最近のものだと、エマニュエル・クリヴィヌが国立リヨン管弦楽団を指揮したものが内容も音質も素晴らしいと思います。
http://www.hmv.co.jp/Product/detail.asp?sku=1975121

2007年06月19日

影響を受けたCD その75

メリー・ホプキン/ポスト・カード
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1501817

ビートルズがしたことで画期的なことは数多くありますが、その中のひとつが自分たちのレコード会社(レーベル)を作ったことだと思います。
その「アップル・レコード」から1968年にポール・マッカートニーのプロデュースでメリー・ホプキンはデビューしました。
その後、同じくポールがプロデュースした、このファースト・アルバム「Post Card」が1969年に発売されました。このアルバムはポールがやらせたかったポップスが中心になっていますが、メリー・ホプキン自身がやりたかったフォーク・ソングも勿論含まれています。

このアルバムに収録されている彼女のデビュー・シングル曲「悲しき天使」(Those Were The Days)は世界的に大ヒット。当時日本では楽国曲のレコードを発売する際に、「悲しき〜」というタイトルにするとヒットすると言われていました。
ロシア民謡が原曲と言われる哀愁のある曲調と、彼女のキュートで透明感溢れる声の力で、当時僕も一気にこの曲にのめり込んだのです。
後年、こんなイメージの曲調で、しかも感動的な曲をいつかリリース出来たらと思うようになり、またそう思い続けてきました。さだまさしの「舞姫」は、僕にとってこの「悲しき天使」の再来です。

尚、このアルバムに収録されている「パピー・ソング」は、1998年に公開されたトム・ハンクスとメグ・ライアン主演の映画「ユー・ガット・メール」の主題歌になりました(この映画ではメリー・ホプキン歌唱のものではなく、曲の作者であるニルソン歌唱のヴァージョンですが)。

2007年06月16日

影響を受けたCD その74

ビー・ジーズ/若葉のころ〜ベスト・オブ・ビー・ジーズ〜
http://www.amazon.co.jp/若葉のころ-◯ベスト・オブ・ビー・ジーズ-ビー・ジーズ/dp/B000007VSC/ref=sr_1_3/249-6365212-9963522?ie=UTF8&s=music&qid=1181832712&sr=1-3

子供の頃、日本のヒット・チャートは今以上に洋楽曲の占める割合が多く、毎週ラジオやテレビの音楽番組を楽しみにしていました。
当時よく見ていたテレビの音楽番組では、「サウンド・オブ・サイレンス」がずっと1位だったのを覚えています。その頃は僕がギターを始めた頃と重なり、「ビー・ジーズ」がデビューした頃とも重なります。そしてコーラスによるハーモニーの美しさに目覚めた頃でもありました。
その後、1971年に日本でイギリス映画「小さな恋のメロディ」が封切られ、その主題歌の「メロディ・フェア」とともにビー・ジーズの人気が再燃しました。
当時彼らの送り出す曲は美しいメロディと美しいハーモニーの宝庫でした。個人的には、ノスタルジックな雰囲気を持ち、しかもとても美しい「若葉のころ」が特にお気に入り。
尚、あのサラ・ブライトマンの名作「ラ・ルーナ」に、ボーナス・トラックとして、この「若葉のころ」のライヴ・ヴァージョンが収録されています(日本盤のみ)。

2007年06月13日

影響を受けたCD その73

リンダ・ロンシュタット/Dedicated to the One I Love
http://www.amazon.co.jp/Dedicated-One-Love-Linda-Ronstadt/dp/B000002HM8/ref=sr_1_27/249-6365212-9963522?ie=UTF8&s=music&qid=1181204607&sr=1-27

ロサンゼルスの歌姫、リンダ・ロンシュタットによる子守歌のアルバム。
疲れ果てて眠れない時、辛くてひたすら癒されたい時などに、大人であってもこのアルバムは最高のものだと思います。
カントリー、ロック、ジャズなど彼女の歌ったものをたくさん聴いてきましたが、特に印象に残ったもののひとつです。
興味のある方は、このアルバムに収録されている「Winter Light」を是非お聴きください。この世のものとは思えないような美しさで、疲れた心身を癒してくれます。
尚、あのアメリカを代表するロック・バンド「イーグルス」は当初彼女のバック・バンドでした。

2007年06月09日

・・・

このところ気持ちが落ち込んでいて、なかなかブログを書く気にはなれませんでした。
今年の上半期で僕の敬愛する音楽家の方々が相次いで鬼籍に入られました。

1月13日にサックス奏者のマイケル・ブレッカー氏(ブレッカー兄弟の弟)。彼は主にジャズ、フュージョン畑で大活躍しました。ポール・サイモンの名アルバム「時の流れに」のタイトル曲でのソロはとても素晴らしいもので、その圧倒的なテクニックと表現力は当代随一でした。

4月27日にチェリストであり、ピアニストであり、指揮者でもあったロストロポーヴィチ氏。彼がソロを弾いたドヴォルザークの「チェロ協奏曲」(演奏:ベルリン・フィル/指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン)は強烈な演奏で、個人的に特に印象に残っています。まさに魂の音楽でした。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/340484

そして6月2日にはピアニスト、作編曲家の、ハネケンこと羽田健太郎氏。彼とは何度も仕事をご一緒しました。さだまさしのCDでは「夢供養」「うつろひ」などで弾いて頂きました。彼はその後1983〜4年頃には、基本的にスタジオ・ミュージシャンとしての仕事はしなかったようなのですが、無理にお願いして白鳥座のセカンド・アルバム「DENEB」でも何曲か弾いて頂きました。その比類のないテクニックと音楽性は素晴らしいものでした。

彼らの生き様こそ、まさしく彼らの音楽でした。
特に印象に残っているロストロポーヴィチ氏の言葉があります。「演奏家はある曲目を取り上げるなら、その対象に惜しみない愛を注がねばなりません。もしそれがないのなら、弾くのはやめたほうがいい」(ロストロポーヴィチ)

お三方のご冥福をお祈りいたします。

2007年06月08日

定期演奏会

今日6月8日は、お招き頂いた東京ニューシティ管弦楽団の皆さんの第51回定期演奏会に行ってきました。
CDはつい数ヶ月前に聴かせて頂きましたが、実演は一年ぶりくらいでしょうか。

指揮:内藤 彰
ピアノ:河合優子
コンサートマスター:浜野考史 以上敬称略
会場:東京オペラシティ コンサートホール

演奏曲目は

フレデリック・ショパン
 ポーランド民謡の主題による幻想曲イ長調
 ピアノ協奏曲第1番ホ短調
フェリックス・メンデルスゾーン
 交響曲第3番イ短調「スコットランド」

ポーランドの国家的文化事業として、最近ショパンの楽譜の版を改訂してナショナル・エディションを作り上げたそうです。
ポーランド民謡の主題による幻想曲イ長調は、ピアノ・パートのみ今回のナショナル・エディションを使用し(オーケストラ部分は旧版)、ピアノ協奏曲第1番はすべて今回のナショナル・エディションを使用しているそうです。
聴いてみて確かにいくつかの点で聴き慣れないフレーズ(譜割りなどが変更されている)があり、日頃からショパンのピアノ協奏曲に親しんでいるものとしても、とても楽しむことが出来ました。

また、メンデルスゾーンはブライトコップ新版2006が使われているそうで、ショパンと共にピリオド奏法(作曲当時のノン・ヴィブラートに近い奏法)が使われていました。

この20年位はピリオド楽器やピリオド奏法を使ったものが流行ですので、バロックを始め、ベートーヴェン、ベルリオーズあたりまではピリオド奏法のものも聴いてきましたが、ショパンやメンデルスゾーンの曲をピリオド奏法を使って演奏されたものを初めて聴きました。
今日の演奏会の場合、ただ単にノン・ヴィブラートに近い演奏というわけではなく、ヴィブラートが少ないことを補う意味でも工夫がなされていたようです。個人的に不満がないどころかとても透明感溢れる音楽を興味深く聴かせて頂きましたし、また実に感動的な演奏だったと思います。

個人的に好んでよく聴いている曲に新たなスポット・ライトを浴びせて、素晴らしい演奏を聴かせてくださったことに感謝しています。演奏家の方々は勿論のこと、事務局の方々にも感謝しています。ありがとうございました。

2007年06月02日

影響を受けたCD その72

キャロル・キング/つづれおり
http://www.amazon.co.jp/つづれおり-キャロル・キング/dp/B0001N1OUQ/ref=sr_1_3/249-6365212-9963522?ie=UTF8&s=music&qid=1180663791&sr=1-3

1971年に発表された女性シンガー・ソングライターの草分け、キャロル・キングの名作です。
今聴くと全体的に音が古いと言えないことはありませんが、その分ストレートに彼女の、そして作品の魅力が伝わってきます。ラス・カンケル(ドラムス)をはじめとしたバック・バンドの面々の堅実なサポートも素晴らしく、アコースティック・ギターではあのジェイムス・テイラーも参加しています。

このアルバムに収録されていて、後にジェイムス・テイラー自身が歌って大ヒットさせた「君の友だち」(You've Got a Friend)は今聴いても感動的な名曲です。最初の4小節を聴いただけで、切なくて切なくて胸が張り裂けそうになります。
S&Gの「明日に架ける橋」はウェットではあっても明るく感動的に「友への愛」を歌い上げたものですが、この「君の友だち」はよりパーソナルで切なく暗いイメージを持っています。しかし両曲とも「今日の涙」を「明日の微笑み」に変え、「今日の悲しみ」を「明日の希望」へと導いてくれる曲であることには違いがありません。
人間、とりわけ女性の悲しみや苦悩、そして愛する喜びを綴ったこのアルバムのタイトルが「つづれおり」というのにも感動した覚えがあります(実際には収録曲のひとつが「タペストリー」(つづれおり)だからなのですが)。

尚、かつてキャロル・キングとポール・サイモンは大学のクラス・メイト(たしか英米文学専攻)で、高校時代からプロとして活躍していたポール・サイモンに、キャロル・キングはデモ・テープの作り方などを教えてもらっていたそうです。