影響を受けたCD その77
ラヴェル/管弦楽曲集
演奏:ロンドン交響楽団/指揮:ピエール・モントゥー
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=227656
ラヴェルの音楽が大好きで、沢山の演奏を聴いてきました。その中で特に気に入っているもののひとつが上記のモントゥーのCDです。
フランス人であるモントゥーが創る音楽は、お国もののラヴェルだけでなくベートーヴェンやブラームスなどの作品も正統的で品があります。ウィーン・フィルやロンドン交響楽団とのベートーヴェンの交響曲も素晴らしく、模範的な演奏のひとつと言えるでしょう(個人的にはロンドン交響楽団とのものの方が出来が良いと思います)。
このCDがレコーディングされたのは彼がロンドン交響楽団の首席指揮者だった時期ですから、相性が良いのは当たり前かもしれません(彼は最晩年に要請されてロンドン交響楽団の首席指揮者に就任し、最後の花を咲かせました)。
モントゥーのクレッシェンドやデクレッシェンドには愛情と魂がこもっています。クレッシェンドをテレビやステレオのボリュームを上げるのと同じように、音量だけを上げるような味気ない演奏が多すぎると常々思っています。デクレッシェンドも同様です。
ピエール・モントゥーとロンドン交響楽団の演奏は、たったひとつの音にさえ、その音を作曲家が書いた意味を見出し、ひとつひとつの音を心から慈しんで弾いているように感じます。そうでありながら、その音楽の全体像を見失うこともありません。機械的で無機的な愛情のない演奏からはほど遠い彼らの紡ぎ出す「魂の音楽」は僕にとって最高の宝物のひとつです。
このアルバムの中では「マ・メール・ロワ」が特に美しい演奏だと思います。幼い頃に万華鏡をのぞき込んでワクワク、ドキドキしたように、時折これを聴いて夢幻の時のような音空間に浸りながら至福の時間を過ごしています。
尚、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」や「春の祭典」などを初演したのはモントゥーでした。
コメント
「マ・メール・ロワ」は確かに美しい演奏ですネ。私は「なき王女のためのパヴァーヌ」もお奨めします。
この時代のロンドン交響楽団は凄い演奏能力が有ったと思います。
投稿者: ともお | 2007年06月28日 14:23
はい、ともおさんのお奨めの通り、デッカによる「亡き王女のためのパヴァーヌ」も素晴らしい演奏ですね。プロデューサーはエリック・スミス、エンジニアはケネス・ウィルキンソンでしたね。
今となっては初めて聴いた「亡き王女のためのパヴァーヌ」が誰の演奏だったのか思い出せませんが、あの冒頭のメロディは、音色はホルンのはずなのに、あのように高い音域で美しい音色なので、にわかにホルンだとは信じられなかったのを強烈に覚えています。
投稿者: cap | 2007年06月28日 21:40
唐突ですが。
いま、久しぶりに「飛梅」を聴いています。
この歌の唄い始めからの8小節ほど。
これは一種の奇跡だと、今さらながら感じました。
彼の語感・五感の輝き。天恵なのでしょうね。
さても。
つい先日のこと、長野・小谷村で『セロ弾きのゴーシュ』そのままの男と、
きわめて心地よい一夜を過ごしました。
彼のセロ。絵に描いたように「危なげな指使い&ボーイング」。
そんな彼とボクのギターと歌。
凛と鎮まった小谷村の山里の酒宴。
たいへんなゼイタクでした。
もちろん、帰宅してすぐに『セロ弾きのゴーシュ』をコピーして送りました。
投稿者: 昔フリーライター | 2007年06月29日 02:45
昔フリーライターさん、お久しぶりです。
お元気そうで何よりです。
素晴らしくゼイタクな時間をお過ごしになって、うらやましい限りです。
投稿者: cap | 2007年07月01日 16:25
羨ましがってくださり、ありがとうございます。
本当にゼイタクな一夜でした。
投稿者: 昔フリーライター | 2007年07月02日 18:07