東京ニューシティ管弦楽団・定期演奏会
今日はお招き頂いた東京ニューシティ管弦楽団第55回定期演奏会に行ってきました。
今回は全てがベートーヴェンの曲でしたので、ベートーヴェン・フリークの端くれとしても、とても楽しみにしていました。
例によって「ピリオド奏法」による演奏で、“ベートーヴェンの新世紀”「心臓の躍動・戦争の蹄音」と題されたもの。
今日の指揮は音楽監督の内藤彰さんではなく、主席指揮者の曽我大介さんでした。
やはり「ピリオド奏法」のサウンドは引き締まっていてとても軽快ですし、何より透明感があります。最近では古典派やロマン派のメジャーな作曲家のメジャーな作品を現代の楽器と奏法を使って演奏すると、「手垢にまみれた」などと評される傾向がありますし、一方では鳴りが良く重厚な響きになりやすい現代楽器を用いてヴィブラートを多用する20世紀中頃に全盛を極めた演奏だけを好む方もいます。
個人的には中華料理も和食も好きなように、「現代の一般的な奏法」であろうが「ピリオド奏法」であろうが、その時に応じて楽しませて頂いています。ですから本日もとても堪能させて頂き、大きな感動も頂きました。
予想通り弦楽器は対向配置でした。特に今回の交響曲第5番や第7番(特に第2楽章)は対向配置による演奏の方が格段に面白く、ベートーヴェンの書法が手に取るように分かり、手に汗握りながら聴かせて頂きました。
第5番も素晴らしかったのですが、特に第7番は名演だと思いました。第5番が始まった時、こう書いたらもしかしたら失礼にあたるかもしれませんが、「ピリオド奏法」がこれまで以上に馴染んでいると感じ、更に素晴らしい演奏になる予感がしました。第7番の全体的な透明感、第1楽章のオーボエ〜フルート〜クラリネットにおけるニュアンスの揃い方、そしてフレーズの受け渡し方、第2楽章冒頭のチェロとヴィオラのニュアンス及びデュナーミクの素晴らしさ、第4楽章の熱狂等々があって感動の嵐でした。各楽器のバランスも素晴らしく整っていたと思いますし、実際に曽我さんが細心の注意を払っていらっしゃるのがよく分かりました。音楽監督の内藤彰さんや主席指揮者の曽我大介さんの尽力や楽団員の皆さんの努力によって、確実に階段を上ってらっしゃるのも充分に分かりました。
世界中のオーケストラの演奏レベルが上がり、国際化され、没個性化する傾向がある昨今、どのようにして新しい音楽を作り、そのオーケストラの「個性」を出してゆくのかは、生き残りをかけた闘いでもあると思います。リスナーの方々にも分かりやすく、しかも高い次元でそのオーケストラ固有の音楽的個性を顕在化させるという困難な作業に立ち向かい、そして精進されているのだと思います。
最後になりましたが、お招きに感謝すると同時に、素晴らしい音楽を聴かせてくださった曽我さん並びに楽団員の皆様、そして裏方である事務局の皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。