今日はミックス・ダウンの3日目。
毎朝11時(初日のみ10時)にスタートし、深夜0時頃までやっています。
スケジュールは押していますが大きなトラブルはありませんので、まずは順調と言っていいでしょう。
ライヴ・レコーディングのミックス・ダウンはスタジオ・レコーディングのそれとは異なるところがあります。特にさだまさしプロジェクトの場合、ライヴCDは「あたかも客席で聴いているかのようなもの」をいつもまさし本人は望みます。
通常ライヴ・レコーディングでは、各ミュージシャンの演奏し、歌ったものだけでなく、別のトラックに我々が「オーディエンス」と呼ぶ客席の音を数本のマイクを使って収録しています。これは、お客様の拍手や声援などを録るためのものですが、実際にはコンサート会場のPAスピーカーからの音も混じってしまいます。また、お客様の咳、くしゃみ、荷物などが触れ合うノイズさえも入っています。
このオーディエンスの音を曲間だけでなく曲中もミックス・ダウンで出すと、まさしが望むような客席で聴いているかのような臨場感を出すことが出来ます。バランスの問題ですが、出せば出すほど臨場感は出ますが、相対的に実音(歌や演奏)は小さくなることになりますので、音楽(特に歌)は奥に引っ込んでしまいます。どのあたりでバランスさせるかがライヴのミックス・ダウンの難しいことのひとつです。
そしてスタジオ・レコーディングのものと異なり、ライヴでは一般的にアレンジも演奏自体も音響(PA)もデフォルメしているケースが多いという事実があります。ライヴで1回のみの場合は、かなりデフォルメしても良いと思いますが、ライヴCDとなるとお客様が何度もお聴きになることを想定しないといけません。つまりデフォルメだけではなく、繰り返し聴いた時にも不自然ではないバランスに仕上げないといけないのです。
またライヴゆえの様々な音楽上の瑕疵はあって当然ですが、それが目立つよりは目立たない方がいいと思いますし、演奏ノイズも多いよりは少ない方がいいに決まっています。
そんなこんなで様々なエディットをしながらミックス・ダウンをやっています。
特に今回のバンドは9人編成の腕利き揃いですから、演奏自体のクォリティが高く、それぞれの方々が出す音色も素晴らしいものがあります。
それに加え、レコーディング・エンジニアの鈴木智雄さんを始め、たくさんのエンジニアの皆さんの工夫や努力もあって、ライヴ・アルバムの中ではオーディオ的な魅力も今回のものが一番になると思います。
また特に今回は演奏や歌が素晴らしいので、理想的な楽器バランスにミックス・ダウンで持って行ける可能性が高いので、とてもありがたいことだと思っています。