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忘れてはいけないこと

昨日書いたばかりですが、レコーディングに使用する機材を提供してくださっている会社にAccuphaseさんがあります。自宅でも10年程前からAccuphaseさんのアンプを使っています。

そもそもアンプ自体が大きく重いのですが、箱も巨大で、保存するとなるとかなりの場所を取ります。ですから購入後しばらく使って初期不良がないことが分かってから、箱や発泡スチロールを処分してしまいました。
今までに使用したどのメーカーのアンプよりも長持ちしていますが、昨年、ボリューム・ノブを回すとほんのわずかにガリ(ノイズ)が出るようになりました。そこでAccuphaseさんに連絡を取り、修理及びオーバーホールの依頼をしました。
箱が無いことを伝えるとぴったり入る箱を用意してくださり、中には送付するためのAccuphaseさんの住所を書き込んだ伝票も入っていて、完璧に修理・オーバーホールして送り返してくださいました。その際にも必要なくなった箱を返却するための伝票が入っていて、それを貼り付けた後、宅配便に電話するだけですんだことは言うまでもありません。

音も使用感も元通りになり、その丁寧でユーザーを思いやる仕事ぶりに感激しました。そして自社の製品やユーザーに対しての誇りや深い愛情を感じました。Accuphaseさんは法律で決められている以上に古い製品のパーツを今でも大切に保存し、かなり古い製品まで修理出来るそうです。こんな「ユーザー想い」なことを一体幾つの企業がやっているでしょうか。効率という名の下に大切なことをどれだけ切り捨てているでしょうか。これらのバランスを取ることこそが大事だと個人的には思います。
お金を払えば可能な限り修理してくれるのは当たり前ですが(それでもパーツがないために修理不能で戻されるオーディオ製品は多いので、そういうメーカーの製品はもう買いたくありません)、Accuphaseさんの場合、そこに言葉では言い表しにくい「+α」があるのです。きっと「ものを作って売る」ということはこういう事なのだと思います。「もの」だけを売るのではなく、「誠意」や「良心」までも売っているメーカーにこそ、いつまでも生き残って欲しいと思うのは僕だけでしょうか。昨今問題になっている、自分(たち)の利益だけのために「食品偽装」をやった企業とは正反対ですね。

そういうこと(昨年のAccuphaseさんとのこと)があるとユーザーとしては、ますますそのメーカーに対して信頼感を覚え、次に購入する際にそのメーカーの製品を真っ先に候補に挙げようと思うものです。
世間ではリストラの嵐が吹き荒れ、「ものが売れない」と嘆いているメーカーは多いですし、きっと皆さん口に出来ないほどの苦労や努力を重ねて頑張っているのだと思います。
自分を戒めるためにもこのAccuphaseさんの企業理念を忘れたくはありません。
本当に感謝に堪えない出来事でした。ありがとうございました。

コメント

八野さん、素晴らしいお話しをご紹介くださいまして、ありがとうございました。

こういうお話しをうかがいますと、どこからともなくジワジワと勇気が湧いてまいります。心がシャン!とするように思います。

新聞やテレビの報道で見知る、国会での不毛で愚かな議論、脱税や偽装など儲け本位の悲しく貧しい人間たち、繰り返しそういうものを見せ付けられると、一体この国はどうなっているのだ!自分自身を含めて自信がなくなり、失望の下向き気分になってきてしまいます。

けれど、このお話しのように、「仕事」というものを「誠意」「良心」で貫き続けている方々がいらっしゃるのですね。恐らく、ご自分たちの存在そのものをこめていらっしゃるのでしょう。基準とするは、「自分」であり、「おてんとうさま」、誰が見ていなくても、しっかりとご自身の厳しい生き方を守り徹されていらっしゃる方々、八野さんのお話しで教えていただき、本当に誇らしく思います。
とても難しいけれど、私も、少しでもそういった方々の生き方にならいたいと思いました。

八野さん、お話し、ありがとうございました。

そして、Accuphaseさん、ありがとうございます!これからも、がんばっていただきたいと思います!

凛さん、こんばんは。
コメントありがとうございました。

情けなくも悲しい事柄は多いですね、残念ながら・・・。
「おてんとうさま」や「自分」に対して、恥ずかしくない自分でありたいものですね。

八野さん、お変わりありませんか?
きっとお忙しいのだろうと想像しております。

さて、ちょこっとだけ感想を述べたくお邪魔させていただきます。

「いちゃつく夜もさだまさし」、観ました。
リアルタイムは最初から諦め録画で、それもビデオの節約三倍モードで。
にも関わらず、あのチキガリさんのタイトルコーラスの格調高さは、どうですか!
あの部分だけ音がまるで違います。きらびやかに光輝いてものすごい迫力のある響き、
どこか別のところから音が湧いてくるよう。
「これ、絶対に八野さんの仕事に違いない!」、そう思って聴きましたが、
そうではありませんか?

盛岡という土地柄に自然体で長崎弁でしゃべるまっさん、
目を細めていたのは私だけではなかったと思います。

凛さん、おはようございます。
コメントありがとうございました。

お陰様で毎日何やら忙しく活動させて頂いています。
「凍てつく」より「いちゃつく」の方が人間らしい温もりがあっていいですねぇ〜。

あのチキガリのジングルは彼ら自身で録音したものです。
彼らも進化していますので、最近はデモもあのグレードで作って来るようになりました。
近年MacとProToolsというソフトでレコーディングは行われますが、それが各自でも持てるようになりつつあります(チキガリの渡辺が使っているのはProToolsではありませんが)。恐ろしい世の中になったものだと痛感します。

まだまだ使用するその他の機材によって現実にはクォリティは左右されますが、レコーディング業界がこぞってProToolsを導入したことによって、ミュージシャン(プロデューサーやエンジニアも)が自宅でも作業が出来る環境になったことは画期的なことだと思います。

ミュージシャンが自宅で作ってきたものがあのクォリティなのですから、プロデューサーやエンジニアが本格的に加わったレコーディングは遙か上を行かなければその存在価値はありません。大変な時代になったものです。

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