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2009年07月29日

影響を受けたCD その108

エンニオ・モリコーネ/La Califfa
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1666293
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3521368

言わずと知れた映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネの作品です。
映画「La Califfa(別名:Lady Caliph)」(1970)は未公開に終わったようなのですが、その映画のために作曲されたこのサウンド・トラックは日の目を見ています。

前にこのブログでサラ・ブライトマンの名アルバム「La Luna」のことを書き、その中でこの「La Califfa」が入っていることにも触れたと記憶しています。そのサラ・ブライトマンのヴァージョンで初めてこの曲を聴きました。不勉強にして、それまではミレイユ・マチューが歌ったヴァージョンも、このオリジナル・ヴァージョンも知りませんでした。

巨匠モリコーネが書いた幾多の名曲の中でも、この映画のメイン・タイトル曲「La Califfa」は最も感動的なものだと個人的には思っています。
モリコーネのオリジナル・ヴァージョンでは、ピアノとストリングスをバックにオーボエが切々とメロディを奏でるのですが、この切なくもあり天国的に美しい音楽を聴くたびに言葉を失います。勿論、この「La Califfa」だけでなく、アルバムの中のどの曲を聴いても、青春期の甘酸っぱいような感覚を呼び戻されたり、ドキドキ感というかときめきを感じます。
このアルバムの演奏は、縦の線がずれているところがあったり、表現がやや大味なところはあるのですが、アレンジを含めた作品力と音楽全体の推進力に圧倒されます。今ではもっとも手放したくないアルバムの1枚になっています。

2009年07月28日

順調です

東京でのエディット作業は順調に進んでいます。

今後もこのままトラブルがなく、予定通り進めばいいのですが・・・。

もう一昨日になりますが、作業終了後スタジオを出て、表通りに向かってあっちゃんと歩いていたところ、サイレンが・・・。それもこちらに向かってサイレンを鳴らした複数の車が押し寄せてくる感じでした。

表通りに出たら眩しいほどのライト、警察車両、マスコミ車両のオン・パレード。あまりの物々しさに一瞬、テロか何かかと思いました。タクシーに乗った後、車窓から見たら、何と某国大使館に車が突っ込んでいました。

今日も順調に作業を終え、ホテルに戻ってきたところです。

2009年07月24日

大阪での最終日

大阪レコーディングの最終日でした。
「録り」は22日で終了していましたが、本日23日は少人数でのエディット作業となりました。

チキガリのPAエンジニアのKさんやまさしの友人のお嬢さんが駆けつけてくれ、一時エディット作業を見て行きましたが、ふたりとも作業内容とその細かさに驚いていました。

週末から東京での本格的なエディット、ミックス・ダウン、そしてマスタリングと怒濤の日々が続きます。

2009年07月21日

第3週に突入!

今日から(もう昨日になってしまいましたが・・・)大阪でのチキガリのレコーディングは3週目に入りました。
大阪に向かう新幹線の中で「広島が大雨でその近辺では新幹線が止まっています。この電車も止まることがあるかもしれません。」とのアナウンスがありました。
不安がよぎりましたが、定刻通りに大阪に着き、無事にレコーディングに突入。
昨夜は関西地区は物凄い雷だったそうです。

今日(昨日)は、今回の最難関の曲をやりました。実は先週、この曲をレコーディングし始めたのですが、もっとフィット感を高めるために、テンポ、キーなどを再検討しました。そして、いくつかの変更をして本日のレコーディングに臨んだ訳です。これもかなり良い感じになったと思っています。

今週で大阪での「録り」を終え、週末からは東京のスタジオでエディット、ミックス・ダウンを経てマスタリングへと進んで行きます。トラブル無く進行すれば8月中旬に音が完成すると思います。

2009年07月19日

影響を受けたCD その107

チック・コリア/妖精
http://www.hmv.co.jp/product/detail/71229

チック・コリアが作ったグループ「リターン・トゥ・フォーエヴァー」はラテン・ジャズからスタートし、段々ロック化していきましたが、彼自身のソロ・プロジェクトでは異なるアプローチをしています。このアルバムは1970年代に発表したソロ3部作の最初の作品にして、最も幻想的なもの(1976年発表)。

チック・コリアは新しい時代のジャズを創造しようとしたと評されているかもしれませんが、おそらく彼自身の頭の中にある、ジャズや現代音楽を含めた「チック・コリア」というジャンルの音楽を創ろうとしたのだと思います。
参加メンバーは、ドラムのスティーヴ・ガッド、ベースのアンソニー・ジャクソン、ヴォーカルのゲイル・モラン等。ここでのスティーヴ・ガッドの集中力、テンションが高いドラミングは最高です。特に5曲目の「Nite Spite」はチック、スティーヴ、アンソニーの3人が壮絶なバトル・ロイヤルを展開し、聴いているこちらがノックダウンさせられます。
今聴いても、まるで万華鏡をのぞき込むように胸が高鳴り、ノスタルジックでありながらも未来を見つめるような気がする幻想的で素晴らしい音楽です。

2009年07月14日

第2週の2日目

今朝もいつも通り11時スタート。
1時間半ほどで渡辺メイン・ヴォーカルを録ってから昼食。
いくら短時間での昼食とは言え、関西はうどんが美味しいので助かります。
それぞれがトッピングを選び、メインのうどんの種類を選んで精算するタイプの手軽な店。

午後は川上メイン・ヴォーカル曲のコーラス・パートを3時間かけて録った後、小林メイン・ヴォーカル曲のコーラス・パートを約4時間かけて録り終えました。
そして夜は最近ワンパターンになっている和食の店へ。
ここもとてもリーズナブルで、しかも自分で好きなものを好きなだけ選べるタイプの店なので、毎日通っても飽きることはありません。

夕食後は長谷川ベースを数曲録り、何曲かのラフ・ミックスを作って、今ホテルに戻ってきました。
お陰様で今日もとても充実したレコーディングが出来ました。

第2週目

関西でのチキガリのレコーディングが2週目に突入。
今日(13日)はレコーディングの打ち合わせをした後、ある濱田メイン・ヴォーカル曲のコーラス・パートを4時間ほどかけてやり、夕食のために30分ほど外出。

夜は別の曲の小林メイン・ヴォーカルを入れました。
この1曲のメイン・ヴォーカルを入れるのに2時間半ほど。歌う本人や周りのものにとって、より良いものを目指すとなると必然的に時間はかかってしまいます。
結果的に皆が大満足するほどの素晴らしい歌を録ることが出来ましたが、終わったら彼の声はかれてしまいました。

2009年07月12日

さすがアコリヴァ・クォリティ!

久しぶりのオーディオ・ネタです。
日頃レコーディングの機材関係でお世話になっているアコースティック・リヴァイヴの石黒さんが、先日、新製品の“エアーフローティングボード RAF-48”を送ってくださいました。
これはCDプレーヤーやアンプなどの下に敷くための板なのですが、二重構造になっていて自転車のチューブのようなものを使って上板を浮かせるようになっています。

このようなオーディオ・アクセサリーを使うと音が変化するのは当たり前ですが、普通は長所も短所もあるものです。ところがこのRAF-48をそれまで使っていたボードと交換してプレーヤーの下に敷いてみたところ、全ての部分が劇的に良くなります。
低音は大地から沸き上がってくるように太く、存在感を増すので、音楽がより安定して豊かに聞こえるようになります。
サウンド全体の透明度が上がって、解像度が高くなります。例えば、オーケストラの2ndヴァイオリンとかヴィオラなど、どちらかと言えば普通は聞こえづらい楽器の音までクリアに、しかも決してきつくはなく聞こえるようになり、倍音まで正確に再生されます。
音場が拡がり、音の上下感、奥行き感が増します。つまり音がより立体的になるために、オーディオ・システムを使って家で音楽を聴いているというより、目の前にスタジオやコンサートホールが現れるように感じます。

これは凄すぎです。さすがのアコリヴァ・クォリティです!

2009年07月10日

ドリーム・ナイト

夢のような、幻のような・・・。
今夜は40年間憧れ続けた人たちに会ってきました。
ニヤニヤし、興奮しっぱなしの2時間はアッという間に過ぎました。

東京ドームはおそらく5〜6万人のファンで埋め尽くされていたでしょう。
そうです。Simon&Garfunkelの来日コンサートを堪能してきました。今もまだ興奮が続いています。

二人に合わせて、自分にしか分からないような小さな声でずっと一緒に歌ってました。
決して同窓会ではない、アグレッシブなコンサートで、二人のハモリも部分的に新しいものになっていて、基本的なアレンジを踏襲しながらも、ロック魂を常に感じる素晴らしい歌と演奏でした。

バックはピアニストのウォーレン・バーンハートを筆頭に10人編成の素晴らしいバンドで、マルチ・プレーヤーが何人もいて、例えばキーボーディストは「ボクサー」でテルミンも披露してくれました。このテルミンの間奏は絶品でした(先日観たDVDでもそうですが)。
20数年前の東京公演とは比較にならないほどのクォリティと「気」を感じるコンサートには度肝を抜かれました。
それにしても、こんなにたくさんの仕事仲間、知人が来ているコンサートは初めてでした。

2009年07月08日

チキガリRec. 3日目

レコーディングの3日目が無事終了しました。

メンバー・スタッフ全員元気に頑張っています。
詳細はまだ書けませんが、今週はステージでやったことがある曲を中心にやっています。

全体的になかなか良い感じになりそうな予感!

2009年07月06日

ニュー・アルバム

チキガリのニュー・アルバムのレコーディングのため、エンジニアの鈴木智雄さんと一緒に大阪に来ています。

年内の発売を目指して今日、作業がスタートしました。
まだまだ着地点は見えませんが、まずはスタート・ダッシュに成功したと思っていいでしょう。

更に進化したチキガリをお聴かせ出来るようこれからも皆で頑張って行きます。
乞うご期待、です!!

2009年07月04日

ベートーヴェン三昧

昨夜は東京芸術劇場で行われた東京ニューシティ管弦楽団の皆さんの定期演奏会にレコーディング・エンジニアの鈴木智雄さんと行ってきました。

ベートーヴェンの新世紀3「自然への憧憬と畏怖・絶望」と題されたもので、例によって演奏の前に指揮者の曽我大介さんによるプレトークがありました。
客席の皆さんにとって作曲家や作品への理解が深まると思いますので、個人的にプレトークはとても良い試みだと思いますが、もう少しだけPAの音量を上げた方が聞き取りやすいと思います(勿論、音量を上げすぎると辛いとは思いますが)。

ベートーヴェンの交響曲第2番、第6番、そしてロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲のどれもが素晴らしい演奏でした。あのような熱演を聴かせて頂くとこちらの身体も心も熱くなります。客席の熱狂も凄かったですね。特に第6番の演奏の美しさに感動しました。

昨夜の弦楽器の配置は、向かって左に第1ヴァイオリン、左の中央寄りにチェロ、右の中央寄りにヴィオラ、右に第2ヴァイオリン、オーケストラの一番奥にコントラバスというものでした。
交響曲第2番も第6番もチェロのかなりの部分がディヴィジ(divisi→オーケストラのスコアなどで、1つのパートを2つ以上のグループに分けて、別々の声部を担当させるための指定)になっていて、昨夜のチェロのステージ上の位置がバッチリはまっていると感じました。ヴィオラとの音楽的関係、コントラバスとの音楽的関係と、それぞれの時の位置関係、ヴァイオリン群との位置関係が絶妙で、素晴らしい効果を上げていると思いました。特にそういう部分では思わず身を乗り出して聴き入ってしまいました。

最後になりましたが、指揮者の曽我大介さん、オーケストラの皆さん、事務局の皆さん、そして内藤彰さんに感謝しています。ありがとうございました。

2009年07月02日

影響を受けたCD その106

ポール・サイモン/グレイスランド
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1263089

1986年に発表したポール・サイモンがソロになってから2度目のグラミー賞(アルバム・オブ・ジ・イヤー)受賞アルバム。
このアルバムはそれまでの一般的なポール・サイモンのイメージとは異なる作りになっているので、当初違和感を覚えた方は多いと思います。実際に僕もそのひとりでした。

彼は元々革新的なミュージシャンですから、このように一見スタイルが変わったように見えることはむしろ望むところなのでしょう。しかし繰り返し聴いてみると、リズミックなアプローチは昔からやっていましたし、メロディ的にも、ハーモニー的にも彼の流儀と合わないことをやっているのではないと気づかされました。
ポップス界はこの頃からメロディやハーモニーよりもリズムを重視する時代に入って行きました。アフリカのミュージシャンとコラボレートして作られたこのアルバムは、そういう意味でも時代を代表するアルバムと言えなくはないと思います。
アフリカ的なリズムに乗った比較的シンプルなメロディとハーモニーを持ったサウンドが特徴だと思いますが、ここに彼のある種の原点回帰を見た気がしました。
このアルバムのタイトルになった「グレイスランド」ですが、これはアメリカ合衆国テネシー州メンフィスにあるエルヴィス・プレスリーの家のことです。

参加ミュージシャンは当時話題になった黒人ミュージシャンたち(特にレディスミス・ブラック・マンバーゾのア・カペラ・コーラスは驚異!)ばかりでなく、エヴァリー・ブラザース、ロス・ロボス、エイドリアン・ブリュー、このブログでも紹介した「Dedicated to the One I Love」という名アルバム(愛に溢れた夢のように美しい作品で、僕にとってのベスト・アルバムのひとつ)を後年作ることになるリンダ・ロンシュタットなど大御所が多数。