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憧れの楽器 9. ヤマハ「QX3」、AKAI「S3000XL」、Young Chang「K2000RJ」「MP-1」

この最終回は実際にかなりハードに使い込んでいた楽器たちです。

先にヤマハの「DX7」のところで「シーケンサー」のことに触れましたが、それがヤマハの「QX3」(ですからこれは正確には楽器ではありません)。これは自分で実際に弾いたものを「音」として記憶するのではなく、コンピューターの「データ」として記憶させる機械です。勿論、自分で弾かない(弾けない)場合は、「打ち込み」と呼ばれるようにキーボードの鍵盤や「QX3」のキーを使って「演奏データ」を作成することも可能です。
この「QX3」には16のトラックがありますので、最大で16の楽器に自動演奏をさせることが出来ます。したがってこの機能を使うことで、たったひとりであたかもオーケストラの演奏をするようなことが可能になる訳です。

AKAIの「S3000XL」は「サンプラー」と呼ばれる楽器で、自分でサンプリングした音を鳴らすことも出来ますが、僕の場合、市販の「サンプリングCD」と呼ばれるものを使っていました。実際に使っていたソフトで代表的なものは、初代ウェザー・リポートのメンバーだった、チェコ出身のミロスラフ・ヴィトウスが作った「オーケストラ・ミニ」というもの。これには、あのチェコ・フィルハーモニー管弦楽団をサンプリングした音(弦、木管、金管etc.)が入っています。ですから、このソフトを使うと、弦の音に定評があった「チェコ・フィル」と共演出来るのです。

Young Chang「K2000RJ」もサンプラーですが、内蔵されたプリセットの音色や追加で取り付けるオーケストラの音色が出色の出来で、特にハープ、ティンパニ、金管楽器は本物そのものです。

そして「MP-1」はグランド・ピアノをステレオ・サンプリングした、発売当時としては非常に優れたプリセット音源。

1996年にNHK-BSでオン・エアーした「さだまさし 長江の詩」の音楽は、これらの楽器をメインに使用して作りました。

コメント

最終回を迎えてしまった「憧れの楽器」シリーズ、
ただの「まっさん好き」人間にとっては、ついてくるだけで必死でした。
知らないことだらけで、読ませていただいていることすら、申し訳ない気持ちでした。

けれど、長年のさださんファンとしては、分からないなりにも、
さださんの世界が、これまで、どのように編み上げられ、作り出されてきたのか、
少しでも理解したい、その一心でありました。

少年時代からの憧れを追い求め、実現しては、更に高きを目指し、
常に夢や憧れを持ち続ける・・・決してそこで満足することなく、歩みを止めることがない・・・

今回のシリーズを読ませていただきながら、私の中に浮かんでくるのは・・・
いつもお仲間とご一緒に、わいわいとお仕事に取り組まれていらした八野さんのお姿、
新しいものを聞きつけ、手に入れては、みんなで一緒に「すご~い!」嬉しそうに、
目をキラキラ輝かせながら使いこなしていかれる姿・・・
こうしてみたら?ああしてみようか?
好奇心いっぱいに次々に工夫をこらし進化させながら音楽を作り出していかれる姿・・・

悲しいことに、このシリーズ連載中に、加藤和彦さんの訃報もありましたが、
八野さんのお話しをうかがう限りにおいては、「やりたいことがなくなった」といった種類の言葉が発せられる事は、絶対にない!と確信いたしました!

古いものを手離してしまう切ない気持ちと戦いながら、
これからもきっと八野さんは、たくさんの素敵なお仲間たちと、
どんどんと新しい挑戦を続けていらしてくださるに違いありません!
これからも、ますますもって楽しみです!

そして「長江の詩」、今回のお話しをうかがって、納得いたしました。
これは一体、どのように作られたのだろうと不思議に感じていましたから。それと同時に、
この音楽は、いつか本物のオーケストラで演奏していただきたいとも思ったのですが・・・

私の勝手な想像・・・
八野さんの最後の「憧れ」、それはもしかしたら・・・
オーケストラの指揮者! ではないかしら・・・というより
これはむしろ、私自身の期待、大いなる願い、なのですが、いかがでしょう・・・?

八野さんのお心の籠もった素敵な連載を、ありがとうございました。

凛さん、おはようございます。
コメントありがとうございました。

知らないことが多い、というのは誰にとってもきっと当たり前なことですね。
実際、僕なんかも「愛情のこもった美味しい料理」を戴くのは大好きですが、それがどんな素材を使い、どんな調味料を使い、何時間掛け、どんな道具が必要で、どれだけのテクニックと経験が必要なのか、などは全く分かりません。だからひたすら作ってくださった方に感謝をして、美味しく戴くのみです。
料理人の方々も、きっと日頃から努力して、アンテナを張り巡らし、アイデアを磨いて、試行錯誤されているのだと思います。それはきっと家庭の主婦だって同じだと思うんです。

とにかく、最高のものを目指す、圧倒的なものを作りたい、対価を払って、しかも貴重な時間を使って聴いてくださるリスナーの方々に喜んで頂きたい、という僕(ら)の気持ちと一緒だと思います。

「長江の詩」の音楽を作るにはいくつものハードルを乗り越えなくてはいけませんでした。会社でテスク・ワークをしながら、1時間でも時間が出来た時に、周りで打ち合わせや電話の声がガンガン聞こえている状態で、曲全体のイメージをふくらませ、楽器を使わずに頭の中でオーケストラ全ての楽器を鳴らして作曲・編曲するしかありませんでした。メロディしか浮かばない時には、そのメロディを採譜しておいて、後からアレンジやオーケストレーションをする訳です。更に時間的に余裕がある時には、当時会社にあった音楽室(簡易的なスタジオ)でシンセサイザーで音を出しながら作・編曲し、後からまとめて、その会社のスタジオでレコーディングしました。

小学生の時に作曲家に憧れ、高校生の時にオーケストラの指揮者に憧れ、大学生の時にアレンジャーやプロデューサーに憧れました。
ジャンルは異なりますが、残念なことに近年相次いで亡くなったポール・モーリア、レイモン・ルフェーブルさんたちのように、自分のオーケストラを持って、自分で編曲したものを演奏する、というのは大きな憧れでした。今回書いた「QX3」、「S3000XL」などを使うと、それが実現出来るのですから、自分のオーケストラを持てたような最高の気分でした。

プロ野球の監督とか、オーケストラの指揮者は、男の憧れの職業の最たるものだという意見はよく聞きますね。

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