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「カバー」の難しさ

今回のチキガリのアルバム「Blend」にも多くのカバー曲が収録されています。
「カバー」ということは既にある作品を歌う訳ですから、制作的には難しいことなど何もないと思われるかもしれません。しかし実際にやってみると、それがとんでもない間違いだと気付かされます。

まずカバーするに際し、その作品がジャスラックなどの著作権管理団体に登録されているかどうかが問題になります。登録されていれば基本的にカバーはOKということになります。しかし中には管理楽曲ではあっても、ステージなどで歌うことは可能でも録音は不可、という曲もありますので注意が必要です。

そして何より、歌詞やメロディを間違える訳にはいきません。ところが意外にこれが難しいのです。
外国曲の場合、問題になることのひとつに「歌詞」の問題があります。
国内制作のJ-Popの場合、そのほとんどのCDにはブックレットに歌詞を載せていると思います。ところが洋楽の場合、輸入盤には歌詞を載せていないのは当たり前です(歌詞を載せると楽譜ビジネスに影響が出るためと聞いたことがありますが、真偽の程は分かりません)。
例えば、今回カバーさせていただいた「Any Way You Want It」ですが、日本盤には日本のレコード会社が独自に歌詞を付けています。歌詞はアーティスト・サイドから提供されるのではなく、日本でどなたかが聴き取って作成することになります。実はこれが最大の問題になるのです。その「Any Way〜」には調べた限りにおいて、部分的に複数の歌詞が存在することが今回分かりました。何度も何度も繰り返し聴いて、どちらが正しいのか確認するようにしても、速すぎたり、歌が小さかったりすると分かりません。そこでレコード会社に連絡を取ったところ、何と本国にまで問い合わせてくださいました。こちらとしては何も責めているのではなく、とても感謝しています。日本のレコード会社が外国作品の歌詞を載せることはファン・サービスの一環でおやりになっていることが分かってますので、その心遣いや労力に対して非難するのは個人的にはするべきではないと思っています。
こういう問題が「Any Way〜」だけでなく、「Thriller」にも、「Scarborough Fair/Canticle」にもありました。

ですから、もしかするとアルバム「Blend」を手にした方が、ご自分の持っているオリジナルCDや楽譜などと一部の歌詞が異なっている可能性があります。が、これはこちらとしては八方に手を尽くし(入手が可能なあらゆるものを調べ、歌入れの時点でハッキリしないものは複数のテイクを録ったりしたこともありました)、最終的にそうするしかないところに行き当たった結果だと認識して戴けると助かります。

尚、「Scarborough Fair」は本来イギリスの伝承歌ですが、サイモン&ガーファンクルは全く別の歌詞とメロディを「Scarborough Fair」の中に「Canticle」として入れ込んでいます。今回はそのS&Gのヴァージョンのカバーですので、タイトルには「Canticle」が付きますし、曲のクレジットにもS&Gの名前を入れています。これに関して疑問を感じる方もあろうかと思い、追記しました。

コメント

八野さん、こんにちは。

そういえば昨年、「カバーは(いろいろな意味で)難しい」とおっしゃられていましたね。
陰で動いてくださる方がいらっしゃるからこそ、私たちリスナーの手元にそれらの作品があるのですね。

皆様のご尽力に感謝いたしますm(_ _)m


このようなお話をお聞きしてしまうと、聞き比べを楽しんでしまいそうな自分がいます(笑)

なんともはや・・・このような複雑な事情があろうとは、思いも寄らないことでした。
さすが、念には念・・・最後の最後まで細心ぎりぎり八方手を尽くされる、
万全職人・八野さんならではのお話しであると感心させられてしまいました。
はい! 前もってこれだけのお話しをいただいたからには、
来月、チキガリさんのアルバムを開いたとしても、決して不満は持たないでしょう。

また、お話しをいただき、納得した部分もありました。
随分以前になりますが、White Christmas、正確な歌詞を知りたくて、あちこち調べたり探したけれど見つからない・・・なんで?なんで~?あれだけみんなが歌っているのに・・・全く合点のいかない思いをしたことがあったのでした。やはり何かしら真偽のほど不明なる事柄が存在するのですね。

尚・・・Scarboroughという地名、S&Gは、スカーバロー、と発音しますが、
実際のイギリスの地名としては、スカーブラ、と発音されるのです。
え~!なんか変!全然ピンとこない! 実にわがままな私の感想、
しかも、その場所そのものも、なんということもない、普通の町でがっかりしたりして・・・
勝手に美しい土地を想像するほうが無理、ってものなのに。
でも、それほど、あの「Scarborough Fair」は美しい歌なのでした。

今回もまた、色々教えていただき、ありがとうございました。

たまさん、おはようございます。
コメントありがとうございました。

書いたように思います。
そういうことだったんです。

1枚のアルバムを作るということは、実に様々な事柄に遭遇するということでもあります。

出来上がった結果が全てですが、何事も全てが思い通りにならないことは事実です。

凛さん、おはようございます。
コメントありがとうございました。

今回もチキガリのメンバー全員とても頑張りました。これだけは間違いありません。
ただし我々は誰も英語がネイティヴではありません。何度も何度も録り直しをして、極力良い発音になるように心がけましたが、ネイティヴな人の発音と比べられてしまうと・・・。まぁ、これはいい訳ですけど・・・。

「Scarborough Fair/Canticle」の「Canticle」部分は、ポール・サイモンが作った「The Side Of A Hill」という曲の歌詞が元になっています。凄く客観的な歌詞で、上官に命令されて戦争を遂行する兵士の様子を歌ったものです。
その歌詞をアート・ガーファンクルが「Scarborough Fair」のメロディの合間を埋めるようなメロディを付けたのかもしれません。
当時、S&Gの曲で、ポールがメロディを担当する場合は、ギターとポールのメロディのみが入ったテープをアートが持ち帰り、休暇の旅先でアートがハーモニー・パートのアレンジをしていた、と聞いたことがあります。実際は見たことがないので、真実かどうかは分かりませんが・・・。
S&Gに関しても、「The Sounds of Silence」のヒットにまつわる話など、興味深い話は尽きません。

PS.「Scarborough」は愛すべき鄙びた港町ですよね。

迷いつつ、またも恥を「書き」にきました。

正直なところ、「Scarborough Fair」の、その「Canticle」というタイトルについては、これまで全く気付きもしなかったのでした。今回のお話しで、あらためて自分の持っているアルバムを見直してみましたら・・・
記載があるものと、ないものと、また目立つ部分に印刷された曲名にはなかったり・・・
本当にお恥ずかしいのですが、今回初めて知りました。
またチキガリさんのアルバムを手にした時に、じっくり噛み締めることにいたします。

しかも・・・
八野さんも、あの町にいらしたことがおありだったのですね。
「Scarborough」は、愛すべき鄙びた港町・・・
ごめんなさい・・・もう、八野さんのおっしゃるとおりです。
私が勝手に自分で描いていたイメージと違ったからと言って、本当に失礼な話でした。
あ~・・・本当に恥ずかしいです、どうしましょ・・・

凛さん、こんにちは。
コメントありがとうございました。

色々疑問に思われる方もおありと思って、「Scarborough Fair/Canticle」のことを書きました。

いや、僕は残念ながら「Scarborough」に行ったことはありません。
ただ、今回のレコーディングをするにあたり、どんな町なのかは少し調べました。
出来る限り曲や町を調べてから、レコーディングするのが礼儀のような気がして・・・。

普通はご存じなくて当然だと思います。
僕だって「Scarborough」が、何となくイギリスの北部にある町、くらいのことしか今までは知りませんでした。

後年、S&Gが解散した後、アート・ガーファンクルは最初のソロ・アルバム「天使の歌声(Angel Clare)」で「バーバラ・アレン」という曲をレコーディングしました。
この曲ももともとイギリスの伝承歌です。
S&G初期にもレコーディングしていたのですが、当時レコード化はしませんでした。このテイクは近年、S&Gのリマスター・シリーズが発売されて、アルバム「サウンド・オブ・サイレンス」にデモ・テイクとして収録されました。
アートのソロのテイクはメロディがより洗練されたものになっていて(この曲はとても多くのヴァージョンがあるそうです)、オーケストラを使ったサウンドもとても美しいものです。このアルバム「天使の歌声(Angel Clare)」は僕やまさしにとって最も大切なアルバムのひとつです。

八野さん、色々と、本当にありがとうございます。

これからもどうかお導き、よろしくお願い申し上げます。

凛さん、こんにちは。
コメントありがとうございました。

導くことなど出来ませんので、一緒に勉強しましょう。
まだまだ知らないことだらけですから・・・。

八野さん、こんばんは!
昨夜、レコチョクにて一足お先に「四季 ~春~」 「Scarborough Fair / Canticle」「Last Christmas」の3曲聴かせて頂きました。ありがとうございます。
今回、洋楽をカバーするにあたって、レコーディング前に調べたら歌詞が何種類もあって大変だったお話は会報でも読ませて頂きました。何度も何度も検討を重ねて選ばれた歌詞なのだろうと思ってます。本当にご尽力ありがとうございます。早くCD聴ける日が来るのを楽しみに待っています。
本当にありがとうございます。

おめめさん、こんにちは。
コメントありがとうございました。

DLもありがとうございました。
お楽しみ頂けましたでしょうか?

アルバム全体もどうぞお楽しみください。
宜しくお願い致します。

八野さん、こんにちは。
本日、「mora」にて着うたフルをダウンロードしました!
「スリラー」ですけど(笑)
聞いて、「ホッホー」と。
いや~、いいですね(^-^)
やっぱりリードは濱田さんでないと!と唸る一曲です。
(そういえば先日、NHKでMJのドキュメント番組の再放送してましたね。そこで始めて「スリラー」のノーカットのPV見ました。あの時代にしてはかなり精巧なPVですね)

ぜひ、ここは濱田さんにムーンウォークを(笑)
(と、濱田さんのお友達である西神戸センター街のケーキ屋さんのパティシエにお願いしたところ「ありえへん」と濱田さんがおっしゃっていたようです・笑)

たまさん、こんにちは。
コメントありがとうございました。

ダウンロードもありがとうございました。
確かにムーンウォークは難しいですね。

「スリラー」を是非CDでもお聴きくださり、その臨場感をお楽しみください。

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