今回のチキガリのアルバムは基本的(この「基本的」ということは後述します)にカバー・アルバムではなく、約2年半ぶりのオリジナル・アルバムです。
今回はオリジナルで行くとかなり前から決まっていて、メンバー各自曲作りに励んできました。
敢えてコンセプトは決めずに、既にコンサートやライヴで発表済みの曲であることにもとらわれず、クォリティが高くリスナーの皆さんに喜んで頂けるような曲を1曲でも多く揃えるようにと考えていました。
アルバム1曲目に収録している「Overture 〜夢の出逢うところ〜」はラスト曲のイントロ部分を抜き出したものです。
この曲の詳細はラスト曲のところで触れます。
タイトル曲「笑わなしゃーない」は濱田作品で、僕のところに届いたデモは完成度はあまり高くはないものの(何しろ自宅で録るのですから)、アイデアとインパクトに溢れており、個人的には最初の曲作りの締め切りの頃に聴いた曲の中では最も印象に残った曲でした。実際、この曲の歌詞のように考えている会社員は多いと思いますし、お聴きになった方の共感を得られると思いました。
ですから聴いた瞬間にレコーディングしたいと思った(完成形がイメージ出来た)曲の最右翼がこれでした(メンバーのレコーディング希望曲リストにはありませんでしたが・・・)。
濱田のデモで彼のイメージも分かり、「クレージーキャッツが今やったらこういう風にするのではないか」をテーマにアレンジやレコーディングを進めるべきだと判断しました。作業中も全員が楽しみながら作業し、スタジオ内のテンションは最高潮に達していました。メンバー全員が良い味を出し切っており、スタジオに来てくれたさだ企画社員にも手伝ってもらってガヤ(ムード歌謡のようになっているあたり)のレコーディングをしました。
予想通り、レコーディング中、僕らがこもっていたスタジオにお客さんが来るとこの曲で盛り上がりました。
ちなみに、ご存じの方もおありでしょうが、クレージーキャッツのアレンジをなさっていたのは萩原哲晶(はぎわらひろあき)さんという方です。彼の名前を僕が小学生の時に最初に認識したのは人気TVアニメ「エイトマン」の作曲者としてでした。その後、クレージーキャッツの諸作品が彼のペンによるものだと知りました。残念ながら1984年に比較的若くして病気で鬼籍に入られています。仕事をご一緒したくても叶わなかった二人のアレンジャーのうちのひとりでした。