基本的に当時のレコーディングやミックス・ダウンを現場でディレクションした担当者として、それぞれの曲のレコーディング上、音質上の長所・短所を把握している者として(当時の録音機材、モニター・スピーカー、レコーディング技術、僕自身のスキルでは残念ながら、当時としては満足感はあったものの自分が理想とする「音」とはある程度離れたものになっていました)、今回のリマスターで我儘を通させてもらいました。
アルバム「白鳥座」と「DENEB」のCD化を単なるノスタルジーで済ませるならば、当時の音源(マスターテープ)からストレート・コピーするだけでも良かったのかもしれません。しかしそうすると2枚の復刻CDがノスタルジーでしかない古くさいサウンドになってしまうことも事実です。何としてでも現代の耳で聴いても素晴らしさを体感出来るようなものにしないとこれまで以上の拡がりはないと思っていました。
客観的に最新録音と同等の音になったかどうかは別として、少なくとも長所を伸ばし、短所を軽減出来て、結果的に大成功だと思っています。今回のリマスターが大成功したのはひとえにマスタリング・エンジニアの鈴江さんのお陰です。僕にしてみれば、30年近く前のレコーディング、ミックス・ダウンがこれで理想に限りなく近いものとしてやっと完成したという気持ちです。
これら以外にもいくつかのハードルはありましたが(勿論僕ひとりだけで動いた訳ではありませんが、いくつもの会社と契約面・条件面での確認・交渉・許諾、各方面の関係者との交渉・説得・許諾、新たにかかる制作経費面の交渉・説得、印刷業者・CDプレス業者の選定・交渉などなど)、自分としてはお客様に喜んで頂けるように最大限のことをやりました。
勿論何事にも賛否両論はありますのでお客様ひとりひとりの好みの部分までは何とも言えないところではありますが、現時点で考える理想に限りなく近いと信じている商品形態で皆様にお届け出来る喜びで満たされていることは事実です。
そして音的には間違いなくLP時代以上に、白鳥座の魅力、音楽の魅力を出せていると思います。当時拙いところはあったとは思いますが、この2枚のリマスターCDをお聴き頂くと、おそらく総合的には白鳥座の音楽の素晴らしさと共に、白鳥座の実力はかなりのものがあったとお気づきになると思います。
この「白鳥座」、「DENEB」という2枚のCDは来年5月11日にスターマンビジョン (現在、佐田玲子が所属するレコード会社) さんから発売になりますので、是非お手にとってご覧ください。
この企画を受け入れてくださり、実現に向けて一緒に努力してくださったスターマンビジョンの佐藤玲子さん、ありがとうございました。
最後になりましたが、当時の関係者並びに現在の関係者の皆さん、お世話になりました。ご協力を感謝致します。どうもありがとうございました。
これでCD化に対する多数のご意見をお寄せくださった白鳥座ファンの皆様の思いにやっと報いることが出来、10数年来の夢が実現した気分です。