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2015年02月08日

心の旅

レコーディング・エンジニアの鈴木智雄さんが一昨日、事務所に1枚のCDを届けてくださった。ダイアナ・クラールの新作「ウォールフラワー」だ。ネットの情報で、このカバー・アルバムの収録曲を知っていたので、楽しみにしていたのだった。
ようやく休みが取れたので、今日、聴いてみた。

とかくカバー・アルバムやセルフ・カバーには賛否両論あるのは当たり前。
僕はとても納得して、心から楽しみ、そして勉強させてもらった。
聴いている時間は、純粋に音楽面、サウンド面、オーディオ面で楽しみながら、時に、このアルバム制作に係わった人たちの、このアルバムへの思いへと旅をした。

1枚のアルバムを作るには様々な思いを込めるだけでなく、様々な喜びと苦悩がつきまとう。作詞家、作曲家、編曲家、歌手は言うに及ばず、プロデューサー(ディレクター)、エンジニアもしかりだ。
ダイアナ・クラールやそのスタッフ、ヴァーヴのチェアマンであり、このアルバムのプロデュースと編曲を受け持った、あのデイヴィッド・フォスターも楽しみながらも様々な苦悩を抱えて作ったに違いない。そんなことを実感しながら、このアルバムを聴かせてもらった。

僕は今までに数多くのカバー・アルバムを聴き、そして作らせてもらったが、このアルバムには1960年代の曲から、ポール・マッカートニーの最新の書き下ろしを含め、綺羅星の如く名曲が並んでいる。
個人的には1曲目の「California Dreamin'(夢のカリフォルニア)」のアレンジには部分的に少し残念なところもあったが、10曲目の「I'm Not In Love」はアレンジ・コンセプトが原曲及びそのアレンジを踏襲することにあり、原曲やそのアレンジが持つあの独特な世界観をピアノやオーケストラなどで再現していて、感動に打ち震えて、涙が出た。
ジャズというカテゴリーで考えると(レーベルがあのヴァーヴなので)、少し違和感があるかもしれないが、このアルバムをヴォーカル・アルバムとして捕らえると、とても洗練された上質なものであることは間違いないであろう。

1枚のアルバムを聴き通して、生きることの喜びと苦悩を感じさせてもらったのは当然として、アルバムを作ることの喜びと苦悩をも感じさせてもらい、しかも音楽としての、そしてアルバムとしての完成度も高く、感動させてもらったので、早速、このCDを注文した。