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「シェエラザード」について・各論1

「アンセルメ盤」(1960年)
若い頃から聴いてきたこともあって、僕にはテンポも表現も極めて標準的に聞こえます。
オケの響きは多少薄いかもしれませんが、ノーマルなオーケストラ・サウンドで知情意のバランスが良好。Deccaの録音だけあって音に変な癖が無く自然。
ヴァイオリン・ソロはローラン・フニヴで、音程も表現も安定して聞こえます。第4楽章の5:30秒台のトランペットのリズムはあやしいけれど何とか持ちこたえています。
このブログを書くにあたり改めて聴いて、やはり第一級の名盤だと感じました。
昨年、エソテリックによりSACD化されましたが、残念ながら既に廃盤。

「カラヤン盤」(1967年)
ヴァイオリン・ソロはベルリン・フィルの第1コンサート・マスターだったミッシェル・シュヴァルベ。威厳としなやかさが同居し、驚異的な表現力のシュヴァルベのソロはとても素晴らしく、その他の各楽器のソロの上手さにも驚嘆せざるを得ません。
第1楽章4:57で木管がひっくり返っているのか飛び出していたり、第2楽章9:36あたりでヴァイオリン群の中の誰かがミスを犯していたり、第4楽章2:40、5:30秒台、6:15から約10秒間はリズム面でアンサンブルが破綻していたりして、カラヤンとベルリン・フィルにしてはツメが甘く感じますが、それでも全体的な合奏の素晴らしさ、表現の素晴らしさ、ベルリン・フィル特有のインタープレイの凄さは群を抜いていて感動的だと思います。
この録音からもカラヤンとベルリン・フィルの凄さは「神」だと実感出来ます。
尚、上記は既に廃盤になった国内盤(The Best 1000シリーズ)での印象で、後にOIBP化されたものは位相が合ってないように聞こえて個人的な好みにはほど遠いです。
それにしても、カラヤンとベルリン・フィルがDeccaとレコーディング契約をしていたら・・・、と思わずにはいられません。

「小澤征爾/BSO盤」(1977年)
カラヤンの弟子だった小澤征爾さんが当時の手兵・ボストン響と共に作り上げた名盤。
ヴァイオリン・ソロは言うに及ばず、各楽器のソロも上手い。
第1楽章の最初の音から楽器間のバランスが完璧であり、ヴァイオリン・ソロが出てくる直前の木管のデクレッシェンドの揃わせ方も完璧だと思います。
また、ジョゼフ・シルヴァースタインのヴァイオリン・ソロも音程、表現ともに素晴らしいと思います。
第4楽章7:30あたりだけはアンサンブルが破綻しているように聞こえますが、全体的なアンサンブルの凄さを鑑みるに、小澤さんや奏者の皆さんの耳の良さと音楽作りの丁寧さに驚嘆せざるを得ません。
ボストン交響楽団はアメリカのオーケストラの中で最もヨーロッパ的な音色を持つと言われているだけあって、極めてノーマルかつノーブルな演奏だと思います。
数ある小澤さんの名盤の中で一番好きなCDです。

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