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「シェエラザード」について・各論2

「コンドラシン盤」(1979年)
この盤を聴いてロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が大好きになりました。
名コンサート・マスター、ヘルマン・クレバースのヴァイオリン・ソロはとても繊細で瑞々しく、表情豊かで美しいですし、各奏者のソロも抜群に上手いです。
コンドラシンの音楽作りも抜群で、ダイナミクスの合わせ方、タイミングの取り方なども完璧。
フィリップス録音の素晴らしさ、ホール音響の素晴らしさ、広大な音場感にプラスして、1音1音に愛情があり、オーケストラ音色美の極致とも感じます。
第4楽章のリズムの合わせ方も素晴らしいですし、船が難破するシーンから静寂を迎えるところ(僕は嵐が去った後、朝日が差してくるように感じます)のダイナミクスと表現も完璧(ここの表現はコンドラシン盤とカラヤン盤が双璧)。
ズバリ、僕の一番の愛聴盤です。
この盤がSACDとしてリリースされることを切に願っています。

「クリヴィヌ盤」(1989年)
この曲のヴァイオリン・ソロは、演奏するオーケストラのコンサート・マスターが弾くのが一般的ですが、この盤ではソリストのジャン=ジャック・カントロフが弾いています。
多少オフっぽい音場感ですが、比較的新しい録音ですので、音質が素晴らしく、音色も柔らかくて自然です。
カントロフのソロも素晴らしく、音程も表現も第一級のものです。
第2楽章9分あたりでヴァイオリン・セクションの誰かが音を外していると思いますが、第4楽章のリズムはギリギリのところで踏ん張っていて破綻には至ってません。
クリヴィヌの指揮はどちらかと言えば全体的に穏やかな表現をしていますが、丁寧で美しい音楽作りを目指していると感じます。
かなり疲れがたまっていて、かつ「シェエラザード」を聴きたい時には、迷わずこの盤に手が伸びます。
自然で音質の良い盤であり、価格もリーズナブルです。

「ゲルギエフ盤」(2001年)
発売当時、その音質の良さと濃厚な表現で随分話題になった名盤です。
最初に聴いた時、上記のように表現の濃厚さが一番印象に残りましたが、今聴くと第1、第2楽章はさほど濃厚でもないように感じます。とは言え、他の盤よりかなりテンポが遅い第3楽章の美しさ、第4楽章の嵐の凶暴さは比類の無いものだと思います。
個人的には、中高域がわずかに突っ張って聞こえたり、その楽器配置のためか多少音場が狭く感じますので、音質が最高とは断言出来ませんが、セルゲイ・レヴェーチンによるヴァイオリン・ソロは音程、表現共に安定していて、安心して音楽に浸れます。
ただ、第4楽章の終了間近のヴァイオリン・ソロのロングトーンの部分で、バックの木管楽器との音程のわずかなズレが気になります。

これら以外のCDも持っていますが、印象の強い盤のみを今回は取り上げました。
全ての盤に思い入れがありますが、敢えて「無人島の1枚」に選ぶなら、コンドラシン盤でしょうか。

コメント

「クリヴィヌ盤」聴きました。メロディーに独特のアクセントを感じますが、録音も良く楽しめました。

クリヴィヌを知る事に成った、国立リヨン管とのドビッシーとラベルは絶品でした。特に「牧神の午後への前奏曲」のフルートには瞬殺で心を持って行かれました。

私はシャイーと列んで注目している指揮者です。今後の活躍が楽しみです。紹介して頂き有難うございました。

ともおさん、コメントありがとうございました。

クリヴィヌのドビュッシーは数年前、ブログに書きましたが、演奏、録音、共に素晴らしいので気に入っています。

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