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2016年12月27日

影響を受けたCD その141

ドヴォルザーク/交響曲第8番
ボルティモア交響楽団/指揮:マリン・オールソップ
http://www.hmv.co.jp/artist_ドヴォルザーク(1841-1904)_000000000019851/item_交響曲第7番、第8番%E3%80%80オールソップ&ボルティモア響_3830986

昨年、同じ楽団、同じ指揮者の第9番「新世界から」をこのブログに書きました。
この第7、8番も優れた演奏・録音だと思います。
「クールな演奏」という評価もありますが、僕の現在のオーディオ機器と耳では、「クール・ビューティー」という感じで、楽器のニュアンスがよく表れていて(特に木管)、演奏に「愛」を感じます。
このCDに出会うまでは、セルのSony盤とEMI盤、カラヤンのDecca盤、ケルテスのDecca盤などを好んで聴いてきましたが、最近はこのCDです。

2016年12月26日

パラシュート

パラシュート/ネバー・ランディング
https://www.amazon.co.jp/『NEVER-LANDING』PARACHUTE-2枚組CD-豪華デジパック仕様-PARACHUTE/dp/B01KTLEA9Q/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1481611460&sr=1-1&keywords=パラシュート

返す返すも残念でならないのですが、今年亡くなった松原正樹さんが在籍していたバンドが「パラシュート」でした。
2015年9月8日、金沢の北國新聞赤羽ホールでのライヴを完全収録したのが、このアルバムです。
1981年に松原さんと安藤さんを除くパラシュートの皆さんと初めて仕事をしました(松原さんとは僕が仕事を始めた1980年からご一緒させて頂いてました)。
Drums 林立夫、Percussion 斉藤ノブ、Bass マイク・ダン、Keyboard 井上鑑、安藤芳彦、Guitar 松原正樹、今剛という日本を代表するミュージシャンの集合体がパラシュートです(順不同・敬称略)。

白鳥座の1stアルバム「白鳥座」の3曲でバックの演奏をやって頂いたのが始まりでした。「かもめ」「心届かぬままに」(Arr.今剛)、「彼女は」(Arr.井上鑑)、2ndアルバム「DENEB」の「42キロの青春」「12月、そして雨」(Arr.今剛)でも彼らの素晴らしい演奏を聴くことが出来ます。

井上鑑さんが正式に加入する前だったと思いますが、パラシュートの皆さんの事務所から招待状を頂いて、彼らが渋谷エッグマンで行ったライヴを聴きに行きました。

このアルバムを入手したので、聴きながら松原さんを偲ぶことにします。

2016年12月20日

「クリムゾン・キングの宮殿」と「展覧会の絵」

キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」(1969年)とエマーソン、レイク&パーマーの「展覧会の絵」(1971年)のことは10年前このブログに書きました。
この2枚のアルバムの最大の共通点は、ヴォーカル&ベース(ギターも弾いています)のグレッグ・レイクの存在です。
残念ながら、つい先頃、彼は鬼籍に入ってしまいました(キース・エマーソンも今年鬼籍に入りました)。
彼はロック界最高のヴォーカリストではないかもしれませんが、力強くもあり繊細な声と表現は初期キング・クリムゾンにもELPにも無くてはならない存在でした。
ここ数日、彼を偲んで電車通勤の際、iPhoneでこの2枚のアルバムを聴いています。

2016年12月19日

影響を受けたCD その140

ベートーヴェン/交響曲全集
クリーヴランド管弦楽団/指揮:ジョージ・セル
CD http://tower.jp/item/3291265/George-Szell-Conducts-Beethoven-Symphonies-&-Overtures
SACD  http://tower.jp/item/4258313/ベートーヴェン:-交響曲全集-(2016年DSDリマスター)-(SACDハイブリッド)<完全生産限定盤>

既にお亡くなりになっている音楽評論家・志鳥栄八郎さんが生前、絶賛しておられたベートーヴェンの交響曲全集がこれです。
かつて(今でもかもしれません)「セルが指揮した音楽は冷たい」とか、「セルが指揮したクリーヴランド管弦楽団の演奏は室内楽のようだ」とか、若干揶揄する意味合いを含めて言われたものです。

思うにこれはセルの耳が驚異的に良いことに起因する現象であり、そのセルに(もしかしたら反感を持ちながらも)ついていったクリーヴランド管弦楽団の驚異的なアンサンブルによるものだと思っています。

セルはオーケストラの各楽器の音程、リズム、アーティキュレーションなどに対する要求が他のどの指揮者よりも厳しかったのでしょう。
他のオーケストラの演奏と比べて、セルが指揮したクリーヴランド管弦楽団の演奏では、それらがきっちり揃っていたので、冷たくも聞こえ、室内楽のようにも聞こえたのだと思っています(つまり複数の人で演奏したフレーズの音程、リズム、ニュアンスなどがきっちり揃っていると、まるで一人で演奏しているように聞こえるということです)。

個人的には、セル=クリーヴランド管弦楽団の演奏を聴くと、まるで滑らかで美しい白磁を愛でているような錯覚に陥ります。透明度が高く、各楽器の音程、リズム、ニュアンスの揃ったその演奏で至福のひとときを味わうことが出来ます。

数年前のさだまさしのCDマスタリングの際、マスタリング・エンジニアの鈴江真智子さんが「仕事以外であまりクラシックのCDは聴かなかったのですが、セル=クリーヴランド管弦楽団の演奏を聴いて、クラシックの良さが分かるようになりました」と言っていたことも記憶に残っています。

今年、タワーレコードさんがこの全集をSACD化してくださり、セル=クリーヴランド管弦楽団のファンは驚喜しています。

2016年12月15日

ヒットチャート

今年、アメリカで一番売れたCDは、モーツァルトのもの(何と200枚組)だというのは大きな驚きでしたが、今日(12/15)現在、池袋・五番街さんのアルバム・ヒット・チャートも凄いことになっています。
興味のある方はご覧下さい。
http://gobangai.jp/hitchart.html

2016年12月13日

影響を受けたCD その139

ラヴェル/ダフニスとクロエ(全曲)
ローラン・プティジラール:指揮/国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団:演奏
http://www.hmv.co.jp/artist_ラヴェル(1875-1937)_000000000021254/item_『ダフニスとクロエ』全曲%E3%80%80プティジラール&国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団_1200940

不勉強でこのCDを聴くまで指揮者のプティジラールのことも、オーケストラの国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団のことも全く知りませんでした。
全く名前も知らないのに、こんなにも素晴らしい演奏、音質のCDがあるのか。初めて聴いた時、驚きを通り越して震えました。己の不勉強と世界の広さを思い知らされました。
ローラン・プティジラールは1950年生まれの作曲家、指揮者とのことです。
ここ数年、現代の作曲家の作品を数多く聴いてきましたが、今後はローラン・プティジラールにも注目して行こうと思っています。

2016年12月09日

「月の歌」ツアー、そしてアルバム「永縁」

「さだまさしコンサートツアー2016 月の歌」コンサートが一昨日、昨日、埼玉の大宮ソニックシティで催され、昨日がツアー最終日でした。
本ツアーへの沢山のお客様のご来場、誠にありがとうございました。
ツアー・ファイナルの昨日は「夢であいましょう」が追加され、アルバム「永縁」から、「遠くへ行きたい」を含めて2曲歌いました。

レコーディングの歌唱では、たとえ1日時間があっても、そこで必ず何曲も録れる訳ではありません。本人の疲労が蓄積している日もあれば、元気であっても声が出ない日もあります。声が出ても、それが鼻声であれば、その日は録らないことも。
まさしと36年以上一緒にレコーディングをしてきた経験では、確か1日5曲の歌入れが一番のハイペースだったように記憶しています。
ただ、1日に3曲も録れてしまうと、次の日は声が出にくいということはしばしばありました。
1曲に1.5〜2時間程度費やして、1日で2曲録れれば万々歳です。
そういう中でも、時折1曲30分などという離れ業もあったりするので、歌入れというものは不思議なものです。

最新アルバム「永縁」で一番記憶に残っている歌入れは「女ひとり」です。
8月25日にアルバム「永縁」の歌入れを始めたのですが、坂本スミ子さんが歌ってくださったオープニングの「夢であいましょう」からスタートしました。
それが終わり、その日は中村八大さんのご子息・力丸さんが立ち会ってくださったので、力丸さんの要請でアルバムに収録することになった「生きるものの歌」から始めました(まさしの歌に関してです)。間奏の台詞は録ったものの、後日やり直しました。
初日には、もう1曲「芽生えて、そして」を録りました(この曲はまさし自身がこのアルバムの中で一番歌が難しいと思っていました)。

次の26日の歌入れで、「おさななじみ」を録った後、「女ひとり」に取りかかりました。
1回声出しを兼ねて歌ってもらった時、トークバックで「もう本番(のテイク)を録りましょう」と伝えました。
2〜3テイク録った時、「ありがとうございました。これでOKです」と伝えたら、まさしは「えっ、ホント? もういいの?」と。
「最高です! これを使わせて頂きます」と僕。
トークバックでのそんな会話があって、まさしはコントロール・ルームに戻ってきました。
「あ〜、良かった。録れて!」とまさし。
声の調子が良かったので、その後、「上を向いて歩こう」を録って、その日の歌入れは終わりました。
本人が帰った後、僕とアシスタント・エンジニアの齋藤クンが残って、演奏部分のエディットに突入し、21時半にその日のスタジオ作業を終えました。

レコーディング・スタジオでディレクションをしていると、不思議な感覚にとらわれるというか、鳥肌が立つというか、数々のそういう思いを経験してきました。
素晴らしい演奏であろうが、歌であろうが、OKテイクになる(する)ものは、その曲を録り始めて数秒、或いは何小節かで分かります。
スタジオ内の空気というのか、波長とでもいうのか、演奏者、歌唱者、僕やエンジニア達全員の集中力、波長などが揃うとOKテイクになるように思います。
本当にこれは不思議な感覚です。

今回の「女ひとり」の歌入れもそんな感じでした。
良い声、良い表情、音程やリズムの合わせ方などと並んで、僕はある種の色っぽさを大切にしています。
それら全てが「女ひとり」の歌唱で見事にはまりました。
その瞬間を感じたので、声出しを始めてすぐに「本番を録りましょう」となった訳です。
後日、懇意にしている音楽関係者から電話を頂きました。「八野さん、私、女ひとりの歌にやられました。さださんの声が何とも色っぽいですね!」と。
伝わる人には伝わるんだな、と事務所のデスクで思わずニンマリしてしまいました。

2016年12月05日

影響を受けたCD その138

スターウォーズ/エピソード1 ファントムメナス
ロンドン交響楽団/作曲・指揮:ジョン・ウィリアムズ
http://www.hmv.co.jp/artist_スター-ウォーズ-エピソード-1-ファントム-メナス_000000000134204/item_Star-Wars-Episode-1-The-Phantom-Menace_828286

有名なスペース・オペラ「スターウォーズ」の第1話(公開順は4番目)のサウンド・トラックです。
このCDを初めて聴いた時に、とても大きな衝撃を受けました。
勿論、かなり前に公開された第4〜6話のサウンド・トラックは既に聴いてはいましたが、全てが圧倒的に優れたものに進化していました。
ジョン・ウィリアムズの曲は勿論のこと、オーケストレーションも、演奏も、録音も全てが最高峰に到達していると思いました。

とりわけロンドン交響楽団の演奏能力の高さ(特にパーカッション奏者)に舌を巻きました。昔からイギリスで一番好きなオーケストラではあったのですが、自分のオーケストラ・ランキングで世界第4位になりました。
アビーロード・スタジオの1st(第1スタジオ)の素晴らしさも手伝って最高のオーケストラ・サウンドを提供してくれるこのCDは、1999年に初めて聴いた時から僕のリファレンスになっています。
このエピソード1を含む近年の「スターウォーズ」のレコーディング・エンジニアはショーン・マーフィーで、最近はネルソンス&ボストン交響楽団によるショスタコーヴィチの交響曲のレコーディングでも高い評価を得ています。

「スターウォーズ」というと、一般的には宇宙空間での戦闘シーンをイメージするかもしれません。しかし、その真の姿は、出会いと別れ、人間の素晴らしさ、哀しさ、性(さが)、価値観の相違、生きることの意味などを浮き彫りにした「人間ドラマ」であることは間違いありません。
そのことをジョン・ウィリアムズの音楽はいみじくも物語っています。